見出し画像

B2Bマーケのデータマネジメントvol.1-THE MODEL的な可視化のために-

こんにちは、カミムラです。2019/11/1のSalesforce CloudExpertイベントに向けてnoteはじめてみました。

登壇では一般ウケしなそうなので話せない、細部のデータマネジメントをこちらにて。細かくて具体的な話です。データマニア向け。今回はB2BマーケティングでSalesforceのオブジェクトをどう使うと、THE MODEL的なKPI管理がしやすかったか?というテーマです。

はじめに:書き手の紹介

ブレインパッドの上村(カミムラ)と言います。
マーケの責任者とシステム管理者をしています。自分で業務部門の責任者をしながら、自分で業務システムを作る二足のわらじ生活。Salesforce界隈によく顔を出しています。

▽2017年のSalesforce活用コンテスト 全国準優勝したとか

▽2019年のPardot Customer Trailblazer Award受賞したとか

▽Teachme Bizの特集で、定着化をテーマにインタビューされたとか


そして、来月頭にこんなイベントに出させていただけることになったので、ネタ整理の意味も込めてデータマネジメント系を書き起こそうと思っています。

1.B2Bマーケのデータマネジメントで重要視したこと

ずばり『後工程への繋がりを可視化』することです。

マーケ活動って、売上数字と向き合っている営業や経営から見ると、重要なのはわかっているけど、どれだけ貢献しているのか、改善しているのかよくわからない活動だな、、と思われちゃう側面があると思うのですよね。

なのでファクト(定量データ)で結果がわかることは当然としてもう1つ。リード獲得数とかWebアクセス数のような前工程活動の数値が、どれだけ商談機会や受注などの後工程の成果に繋がったのかを追跡できるデータマネジメントを重要視しています。

流行りのTHE MODELもいかに分業して後工程にパスを繋げていくか?というプロセスモデル。前工程から後工程まで、どう繋がったかを可視化できることは重要だと思っています。

画像7

(画像はこちらから拝借)

THE MODELよりもっと前から普及しているBtoBマーケティングの原点とも言うべきデマンドウォーターフォールも、前工程と後工程を可視化するモデルとして使いやすくておすすめ。

じゃあ追跡できるって具体的には?

2.『後工程への繋がりを可視化』のサンプル

例えば、こういうデータをマーケメンバーがいつでも見れる状態にすることです。

▽キャンペーンごとの獲得リードが、どんな率でアポに繋がったか?

画像2

▽インサイドの獲得アポは、どれだけの率で営業に商談化されたか?

画像3

▽マーケ経由商談が、今どのフェーズにどれだけ残っているのか?

画像4

▽マーケ経由商談から、どのくらいの受注が生まれたか?
(実際のは数値表示つきで集計期間も月別)

画像5

こういうデータはおそらく他社でも、四半期や年次の振り返りでエクセル集計してはじき出しているのではと思うのですが、マーケが素早くPDCAを回したり、貢献を実感したり、はたまた不十分を実感したりするためにはメンバーがいつでもリアルタイムに見れるようにしたかったです。

ポイントはデータの持たせ方入力の仕方でした。

ようやくここからが本題。細かくて具体的な話になります。

3.どんなデータの持たせ方を?

シンプルに、標準オブジェクトのキャンペーンメンバーをカスタムして使っています。

MAを使っていると便利なことに自動で名寄せをしてくれるので、獲得したリードは、リードオブジェクトに全て新規登録されるのではなく、リードと取引先責任者にばらけて登録されます。

そうなると、レポートで一覧化するのもひと苦労。まして二度目三度目のコンバージョンをするとぐちゃぐちゃです。

なので、

・コンバージョンごとに1レコード生成される
・リードと取引先責任者が混ざっていても1オブジェクトに格納できる

のが便利なので、キャンペーンメンバーを使っています。

そしてキャンペーンメンバーにカスタム項目で以下のような項目を加えて、インサイドセールス側でリードを有効判定したかどうか、対応したかどうかのデータを持たせます。

・対応要否   :選択リスト
・アプローチ結果:選択リスト
・営業担当名  :参照ユーザ
・アプローチ日付:日付

そうすると、実質的にキャンペーンメンバーレコードがインサイドセールスにとってのTodoレコードになるので、

・誰にどこまで対応してもらえたか?
・どれくらいの率で有効判定されたか?
・アポになったか?
が獲得リード全量を分母にして追跡できるようになります。

インサイド担当にはキャンペーンメンバーをリスト化するレポートを作って渡せば、それがそのままアプローチリストになります。お互い便利。

さて、次はこれをどう可視化するのか?

4.どうやってレポートで可視化する?

例えばキャンペーンごとの有効リード率を見たいときには、カスタム数式項目を作ってレポートで可視化しています。

画像6

RowCount/PARENTGROUPVAL(RowCount, CAMPAIGN_NAME, COLUMN_GRAND_SUMMARY)

アポ率、対応完了率なども同様に全て標準のレポートで十分対応できます。レポートならSalesforceアカウントさえ持っていれば、誰でもいつでも最新のリアルタイム集計結果にアクセスできるので便利。

特に有効率・アポ率は重要な情報で、マーケ側も「あのセミナーは集客も満足度も良かったのに、アポにはつながらなかったんだね、、、」とか、「あのセミナーは微妙だったと思ったけど意外とアポになってるね」とか、肌感とは違った結果が見えてきます。そうなると次の企画の方向性も決めやすい。ファクトデータ大事。

実際問題、営業がデータを入れてくれないのでは?

についてはその通りでして、入力の仕方に多大な工夫が必要になります。そのためのフロー機能を使ったデータ入力の仕方は次回記事にて。


ファクトデータが部門の壁を取り去る

B2Bマーケは営業活動の一部です。営業との分業をスムーズにしなければなりません。でもお互い立場も知識も違うので意見は異なりがち。そんなときにファクトデータを使ってコミュニケーションができるようになると建設的な協力ができると実感しています。

・・もし今の職場でこんなやりとりがあるとしたら。
営業 「マーケがいいリードくれない!リード数だけで安心してる!」
マーケ「営業がフォローしてくれない!営業力不足じゃないか!」

それを解決する1つは、ファクトデータを見えるようにしてあげることかもしれません。