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「黎明の学師」電子版 予約販売開始を記念してTwitterスペースでお喋りしました

2022年4月15日に私にとって初めてのセルフ出版となる書籍「黎明の学師 混沌の惑星」の電子版が発売されます。無事に販売ページも公開されましたので、プロメテウス文藝部海乃眞さんと宣伝がてらお喋りしようという話になり、先日Twitterスペースを開催しました。

ゲリラ的な開催であったにも拘わらず多くの方に参加いただき、たいへん有り難かったです。ありがとうございました。
そんな中、思いがけず表紙画を担当して下さいましたgehn/Tsutomu Kitazawaさんの参加を賜り、印象深いお話を聞くことが出来たので、記事にしようと考えた次第です。

gehn/Tsutomu Kitazawa
Twitter : @gehng5555
HP : artstation.com/kita_tom

世界観の構築

gehnさんに表紙画を描いて頂いた過程で私がとても嬉しかったのは、10万字以上の長さのある作品を最後まで読んだ上で表紙画を作成して下さったことです。事前にお話しした時の印象で、読むつもりでいて下さるようだなと感じてはいましたが、「忙殺されて読む時間が取れなかった時のために長めの粗筋もあると有り難いです」とのことだったので、「長めの粗筋」に加えて「世界観の説明と視覚化する際に必要になりそうな情報」をまとめた設定資料をお渡ししてありました。
でも、完成した表紙を拝見した時、「作品を全部読んで下さったんだな」と分かりました。うまく説明できませんが、読んでいないと表現できないものが表現されていたからです。

作品の世界観の深い理解に基づいて描かれた表紙画

表紙の画を受け取った後、ご厚意でサブイメージも作って下さいました。これを見て、本当に最後まで読んで下さったんだなあと実感した次第です。というのも、このサブイメージは「黎明の学師」のラストシーンを表現したものなんです。しかも「光の差す感じが綺麗だと思います。実際の時間とは異なりますが」という言葉が添えてありました。(実際のラストシーンは夜明け前のもっと薄暗い時間帯)

「黎明の学師」ラストシーンを表現したサブイメージ

文章を書く方なら分かると思うのですが、「最後まで読んで貰える」ことほど、物書き冥利に尽きるものはありません。
スペースで「作品を最後まで読んでくれたのが本当に嬉しかったです。ありがとうございます」とgehnさんにお伝えしたところ、「粗筋や設定資料も読んだけれども、これは本編を全部読まないと登場人物同士の関係性や雰囲気を把握できないと思って、読みました」とのお返事でした。

gehnさんとお話ししていると、ご自分の描く作品の世界をとことん理解・把握していることに驚かされます。
背景のコンセプトデザインを担当されたELDEN RINGというゲーム作品に「Game of Thrones (GOT)」の原作者ジョージ・R・R・マーティンさんが参画していたので、ジョージ・R・R・マーティン作品の世界観を知るためにドラマを観たと伺ったときは、「そこまでするのか! すごい!」とびっくりしました。
スペースでそのことをお伝えすると、「全話を観たのは純粋に面白かったから」と返され、GOTファンの私としては「あ! それはそうだよね!」と納得しました・笑。

この辺のお話を掘り下げたくて色々質問したところ、
「作品を書く時には、その世界がどうなっているのか理解できないと描けない」
「たとえば宗派は何なのか? などが分からないと、どんな建物か分からない」
「とことんどんな世界なのかを突き詰めて、それに基づいて資料を探して描いていく。そうしないと自分の持っている知識の範囲内で描こうとしてしまい、楽な方に流れてしまう」
「時には作品に描ききれない細部の設定まで作り込む」
というようなことを仰っていました。
(記憶に基づいて書いているので正確な発言の再現ではありませんが、大筋ではこのような内容のことを仰っていたと思います。)

それを聞いて、gehnさんの画は物語の一場面を切り取ったものなんだな、と理解しました。作品の向こうにもっと大きな物語が広がっているからこそ、作品にあんなに深みと奥行き、広がりがあるんだなあととても納得した次第です。
gehnさんは作品を描く時に物語を創っているんですね」とお伝えしたところ、「そうだと思います。アウトプットの形が違うだけで、やっている作業は神乃さんと同じだと思います」とのお返事。
リップサービスでも、とっても嬉しい!!!!!

ダークファンタジー!

上にも書きましたが、私は「Game of Thrones」というドラマのファンです。「Game of Thrones」といえば大人のダークファンタジー
スペースでgehnさんがふと漏らした「日本でダークファンタジーて流行りませんよね」の一言が刺さりました・笑。(ちなみに「混沌の惑星シリーズ」のジャンルはSFですが、自分では最初ダークファンタジーのつもりで書いていました。)
gehnさんはtwitterでよく仰っている「闇の中にも美しさを感じるファンタジー世界を好んで描いてます」という自己紹介の通り、ダークファンタジー的な世界観の作品をたくさん描かれています。そのgehnさんによると「やっぱり日本では明るい色合いで、可愛らしい女の子が描かれたファンタジー作品が多いし、人気ですよね」とのこと。
うぬぬ……! ダークファンタジー、良いのになあ! 日本でももっと人気出て欲しいなあ!

そんなgehnさんが、明るい色合いで可愛らしい女の子の描かれた絵が沢山載せられている中に、とことん大人でダークな作品を載せているイラスト集がこちら。

Twitterでもよくお見掛けする私の大好きな作品「The Day of The Moby-Dick/白鯨の日」が見開きでドーンッと載っていて、圧巻です。
このイラスト集のために描き下ろされたという「浄福のエリュシオン宮殿」という作品が、本当に素晴らしい! 光差す荘厳な雰囲気に、私はアルフォンス・ミュシャ「スラヴ叙事詩」を思い出しました。
巻末のインタビューで、今後はこういう雰囲気の作品をシリーズで描いていきたいですと仰っていたので、楽しみに待ちたいと思います。

このイラスト集には架空の巨大生物? モンスター? が描かれた作品も何点か載っています。ドラゴン含め、gehnさんの描く架空の生物は細部までリアルで、とても迫力があります。
私の作品である「混沌の惑星」シリーズにも架空の巨大生物が何種類か登場しますので、スペースではホストの海乃眞さんが、gehnさんにその生物を描いて欲しいとリクエストを出していました。これは、書籍の編集を担当してくれているあだん堂ゆきさんが、gehnさんに表紙絵を依頼した当初から言っていたことでもあります。
gehnさんの描く架空巨大生物に興味のある方は、下記のツイートをどうぞ。

最後に

実は、gehnさんとはTwitterのDMで何度かやり取りをしたことはあったものの、実際にお話しするのはこのスペースが初めてでした。
創作についての様々なお話を聞けたのは大変興味深かったですし、「黎明の学師」の感想を直に聞かせて貰えたのも本当に光栄でした。
ありがとうございました!

*追伸
スペースのメンバーが皆、私のことを「カミサマ」「カミサマ」と呼ぶので(私の名前はジンノ)、gehnさんまで私のことをそう呼んでいるのを、訂正するタイミングがなかったのだけが心残りでした・笑。


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