見出し画像

日本でもAmazon KDPからペーパーバックの出版ができるようになりました

 この数日というもの、上記ニュースに振り回されております。Amazonからメールでお知らせが届く前日、Twitterでフォロワーさんが「KDPから紙本を出版できるようになったという情報がTLを流れていった」と呟いたのを目にし、「えっ!?」と慌ててAmazon KDPのページをチェックしたら、本当に、

画像1

と書いてあるではないですか!
 そこから怒濤のごとくKDPのヘルプページをチェックしましたよ、しましたとも……。「黎明の学師」書籍化への道のり1.5にも書きましたが、これが死ぬほど分かりづらい!!!!
 どのくらい分かりにくいかって、「右綴じには●●語(日本語ではナイ)しか対応してません」という文言をどこかで見掛け、日本語書籍が右綴じに対応してるか調べるのに半日掛かった。なんで日本向けのヘルプページなのに、日本語は右綴じに対応してますって分かりやすいところに書いておかないんだよー。
 正規取次店を通じて出版されていたPODペーパーバックも印刷製本はAmazonでされてた訳だから、これまで出来ていたことは出来るはずと思うものの、amazon.comとamazon.co.jpの説明がごっちゃに書かれてるせいで、分かりにくいことこの上なし。

画像2

 ↑こんな感じで、一覧表の「ページめくりの方向」にしれっと書いてありました。あとから他のページの注意書きにも書いてあるの見つけましたが、最初そこに「日本語も」って入れ忘れてたんじゃないかと疑ったりしてます。

 Amazonから出版されるPODペーパーバックの表紙はフルカラーです。これに、
 本文白黒(紙は白・クリームの二種)
 本文プレミアムカラー
 本文標準カラー(amazon.co.jpにはナシ)
の4種類(日本では3種類)が選べます。
 この「表紙はフルカラー」というのも、何処にもはっきり書かれていない。正規取次店から出す本の表紙が標準でフルカラーだからフルカラーのはずだと思うものの、どこにも書いてない……。その後、表紙データの作成方法の説明ページに「保存はCMYKデータで」と書いてあるのを見つけ、間違いなくフルカラーであることを確信できたのでした。
 いやさあ、「表紙は300ppi以上のCMYKデータで作成」って書く前に、「Amazon PODから出版されるペーパーバックの表紙はフルカラーです」ってまず書こうよ。そんで、本文に白黒とフルカラーの二種類あって、白黒の場合、紙は白とクリームから選べます、フルカラーはプレミアムカラーと標準カラーがありますが、標準カラーはamazon.co.jpでは未対応ですって書こうよ。いきなり「出版可能なページ数一覧」に本文の種類並べるの止めようよ。
 それでいて、「表紙は光沢ありと光沢なしの二種類から選べます」てことだけは最初の方に分かりやすく記載してあるアンバランスさ……。

 結論から言うと、ヘルプページにちっさーな字で分かりにくい説明的な日本語を長々羅列して、めちゃくちゃ難易度高いんじゃないか!? と思わせるペーパーバック出版ですが、実際はかなり簡単です
 私が出版する予定の小説本で説明すると、本文については裁ち切りが必要ないのでページの上下左右に余白を設けた原寸サイズのPDFデータを準備すればOK。余白がAmazonの規定している数値より小さいとエラーがでます。この数値は「読みやすさ」や「のど」のことを想定して設けられているので、エラーとして指摘してくれるのは寧ろAmazon側の思いやりというか、優しさのようにも感じます。
 実際にテストデータをアップロードしてみて感じたのですが、Amazonさん、かなり親切というか、丁寧です。データをアップロードすると印刷プレビュー画面というのを開くことが出来て、データにエラーがあれば、どのページにどのようなエラーがあるか具体的な説明が表示されます。

 なぜその丁寧さ、優しさをヘルプページにも発揮できないのか? と心底、不思議です……。
 例えばページ数に応じた推奨の外側マージン、内側マージンの一覧表とかあって、懇切丁寧に詳しく数値を提示して説明してくれてる訳です。でも肝腎の「この表は何について説明したものなのか?」というのが分かりにくすぎるんです。訳の分からん一覧表が色んなページにいっぱい貼ってあって、なんだか難しそう! という印象しか与えてない。そもそも外側マージンはページ数によらず一定だから、内側マージンだけ表にすればいいのでは? しかも「裁ち落としなし」と「裁ち落としあり」を分けて表示してあるから、益々混乱する。「裁ち落としありの場合には、上記数値に3.2mm足して下さい」とか書いてくれた方が、細かく分けるより親切なんだよ、実際は……。
 ああ、いかん……、この記事はKDPからペーパーバックを出版するのは簡単ですよ、こうすれば良いですよ、ということを書く予定だったのに、気付けばヘルプページが如何に分かりづらいかということを延々語ってしまっている・笑。

 つまり、ページいっぱいに描かれた絵なんかが本文にある場合は、紙の端を切り落とす必要があるから「裁ち落とし」のためのマージンを余分に取るわけです。裁ち落としのない人は判型サイズのPDFデータを準備すればOKで、裁ち落としのある人は上下および外側にそれぞれ3.2mmずつ大きなPDFデータを作成すればOK。注意すべき点は1ページでも裁ち落としがある場合、本文の全てのページを裁ち落としありのデータにする必要があるってことくらいかな。
 表紙は表表紙、背表紙、裏表紙すべてを併せて一枚のPDFデータで作成します。300ppi以上、CMYKデータである必要があります。また表紙データには全て裁ち落としが必要です。表紙サイズの計算方法もヘルプページに載ってるんですが、理解することを頭が拒否するくらい分かりにくいです。

 背表紙の厚さも計算法が載ってるんですが、

画像4

こんな感じ……。分かりやすいか分かりにくいかの前に、そもそも読むことを拒否したくなるような文字の羅列です・笑。全てを文章と表で羅列的に説明しようとするから分かりにくいんだよ、と心の底から言いたいです。

 なので私のお勧めは、出鱈目なデータを表紙として一旦アップロードすることです。そうすると印刷プレビュー画面でエラーが出て「あなたの本の適切な表紙のサイズは●×●です」と教えてくれます。この数値に従って表紙を作成すれば万事OKという訳です。(背幅が本文の紙の種類とページ数で決まるので、本文用のデータは正しいものをアップロードして下さいね。)

画像3

 こんな感じで表紙のサイズを教えてくれます。ここで注意するのは、単位が「インチ」であることです。KDPのヘルプページが分かりにくい理由の一つは、何かに付け単位がインチである点ですね。ヘルプページにはメートル表記も併記されてますが、エラーページには上記のように単位の記載もなく数値のみを提示してきます。

 ちなみに真面目な方はこちらをどうぞ↓

 ヘルプページには大量の情報が羅列してありますが、結局のところ我々がしなければならないことは「適切にレイアウトされた正しいサイズのPDFデータを作成する」ことだけです。
 左綴じの本であれば、word文書を流し込めば自動的に最適なレイアウトに変換してくれるというサービスもあるようです。またamazon.comには幾つかのデフォルトの表紙が準備されていて、それを使って表紙を作成することも出来るようです。本のことなど何も知らない素人でも、文書さえ準備すれば出版できてしまうくらいのサービスが提供されているのです。
 この辺りのサービスから、amazonが全世界のあらゆる人に出版の機会を与えようとしている姿勢が垣間見えて、「すごいな」と感じました。
 ヘルプページには「中扉とは」とか「タイトルページを作成する」とか「奥付を作成する」とかの説明まであって、正直「そこから!?」と思わされます。そういう「本を構成する要素とは」みたいな説明と、「適正なデータのサイズ」などの情報が同じ強度で説明されていることも、ヘルプページの分かりにくさの一因となっています。でもそのことこそが、amazonがあらゆる人に向けて出版の扉を開いていることの表れなんだよなあと思ったり。

 なんだか、取り留めのない記事になってしまいました。
 数日でインプットした情報が多すぎて、アウトプットせずにはいられませんでした・笑。
 Note記事書きすぎて、肝腎の書籍化の原稿が止まっている〜。そろそろ執筆に戻ることにします!

*この記事を公開した直後に、KDPでも校正刷りを出来ることが判明! (見本書籍を作れるということ。)
 データの作り方ばかり調べてたから、全くノーマークのページに載ってた。
 重要な情報はもう少し分かりやすいところに纏めて載せてほしい…これって贅沢な悩み⁉︎


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?