6月だってさ

久しぶりの休日で変なTシャツ買ってしまうくらい上機嫌です。
今年の5月はそれはそれは忙しくばたばたと過ぎていって、今思い返すとなんだか少しおぼろげです。
5/20と5/21のデザインフェスタ、そして5/24~5/30の丸善丸の内本店での出展が終わりました。会いにきてくれた方々、出会ってくれた方々、ほんとうにほんとうにありがとうが足りないよ。
両イベントのために用意した在庫で一時的に家がすごいことになったけれど、終わってみればもうほとんどすっからかん。特に丸善の最後の方は売り場に置けるものがほとんどなくなってしまった。とっても喜ばしい反面、もっともっと常にたくさんの商品を在庫しておきたいもんだねと思いました。もともと持ってる量が少ないからいつもギリギリになって苦労するんだから。

ちょっと前からオンラインで販売していた「製本屋のポストカードバインダー」。今回初めて対面でお客さんの反応を見られたのだけど、「ポストカードの保管に納得いってなくて……」という話に共感してくれる人にたくさん会えて嬉しかった。ポストカードがみんなにとって楽しいものになるといいな、と思いました。

丸善での出展は新鮮なことだらけで、一週間という長い会期も大型書店の中での出展も初めてで、初日は情報量にすっかり疲弊してへろんへろんで帰りました。でも二日目からはだいぶ余裕が出てきて、もちろん疲れはしたけれど楽しい毎日でした。最終日は終わってしまうのがちょっと寂しかったな。それも、1日や2日のイベントでは味わえないものでした。
次回に向けていろんなやる気が満々です。

あと、丸善では大好きな製本作家のすずめやさんと隣同士でした。
製本を始めたばかりの頃、はじめてすずめやさんの東京での出展を訪れたとき、作品を手に取るたびにため息が出た。表紙の絵柄の美しさはもちろん素敵だけれど、当時の僕にとっては本の「造り」。洗練された製本がとてもとても鮮烈だった。売り場にはぱっと見で200冊くらい手製本ノートが置いてあるのに、どれを手に取ってもほんとうに四角形が綺麗。ああそうだ、僕は本の形が好きなんだ。端正で鋭くて静かでシンプルで、そんな四角い紙の束の中に無限が秘められているこの物体がほんとうに好きで、だから本に関わる仕事を選んできたんだ。と、そんなことをぶわーっと思い出すほど、その真実味のある製本に感動したのだった。
なんかその時のことも、この一週間で何度も思い出した。

あとはあとは、デザフェスにしろ丸善にしろ、色んな人と色んなことが話せてそれがすごく楽しかったな。楽しかったし大事になっているな。すごく。その場で話した人だけじゃなく、後から小説の感想とか送ってくださった方、きっと時間をかけて文章作ってSNSで見せてくれた方、どれもこれも大事になっています。本当にありがとうございます。足りない。
当たり前だけど自分で作ったものはみんなみんな好きだから、好きなものの話なんていくらでも楽しいし嬉しいこと。

「終わってしまえばなんでもあっという間」
という台詞はなんかの漫画で読んだもので、僕はこの言葉にこもった感傷と諦観のちょうどよさが好きでよく使うのだけど。一生終わんねえよこれって思って過ごした製作の日々も、長いなあ疲れたなあ早く帰りたいねって言い合っていた時間も、今では一瞬で飛び去ったような気がするよ。なんかいつのまにか6月だしね。

6月も色々ありますよ。
新作エッセイの展示、トークイベント、ことばあつめの夜。
詳細はこちらを。


書きたいことはたくさんあって、書けるのはその中のほんの少し、というのはいつものことでさすがに慣れた。みんなと色々話せて、話が聞けて嬉しかった楽しかったということだけ、どうしても書きたかったのかもしれないです。

今日買った変なTシャツ。わかりそうでわからん。

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