【制作記録】バラと飛行船
演劇作品 × 製本表現
2022年6月に行われた舞台「バラと飛行船」。
演劇企画ニガヨモギによる作品で、サン・テグジュペリの「星の王子さま」を土台にした不条理劇である。
登場人物は8人。
「操縦士」「郵便屋」「王女さま」「きつね」
「船長」「乗務員」「道化師(夫)」「道化師(妻)」
この8人のキャラクターのイメージに合わせ、8種類の装丁で本を作った。
役者が稽古時に使うB5サイズの並製本と、会場で販売するB6サイズの上製本。
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役者用の本は稽古に使うものなので、大判で見やすく、開きのよい並製本に。脚本家のもつそれぞれの役のイメージが役者に伝わる手がかりとなるよう、台本の内容を交えながらの打ち合わせをした。
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お客様用の本は、会場で販売するファングッズとしての側面も持っている。
好きな役者であったり、共感したキャラクターの装丁を選んで買うことができる。この本には、台本に加えて、役者たち全員分のインタビュー記事が載っている。このインタビューも担当をさせてもらった。
書籍「バラと飛行船」PV
演劇作品の世界観や、それぞれのキャラクターのイメージに合ったデザインの本を作ることがなにより重要となる依頼だったので、このインタビューでイメージを捉え直せたことは大きかったと思う。
手製本だからこそ作れるもの
一冊一冊に対する細かいこだわりを込めやすいのが手製本のいいところだと思っている。今回のこの本にも、そういうものがたくさん詰まっている。
まとめはこちらから。
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8人のための8種の装丁
「バラと飛行船」に登場する8人の人物は、それぞれに特定の人物と繋がりを持っており、それも製本表現に盛り込まれている。
舞台を見終えたあとで、もう一度読み直すための台本。というもののあり方として、作品の感想がより深まるものになることを目指した。
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この日のためだけに
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書籍「バラと飛行船」は、舞台が行われた4日間で販売するためだけに作られた本だった。そういう短期的に売る本を作るのも初めてのことで、発行部数や価格などについても、細かく相談を重ねながら、しかしなかなか強気な数字で本番に臨んだ。
結果として、ほとんどの装丁が完売し、公演後に追加生産も少しだけ請け負った。
この日のためだけに作ったものだから、重版がかからないのはちょっぴりさみしいけれど、とても貴重な体験で、大切な思い出になった。
演劇企画ニガヨモギさん、ありがとうございました。
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さいごに
今回の依頼も、はじめの打ち合わせの段階では、「台本をちゃんと本の形にしてみたいのだけれど……」というくらいのお話でした。そこから打ち合わせを何度かして、少しずつ依頼の内容が育っていったような印象です。
多くの人にとって、製本のオーダーをするのは初めてのことで、どんな本にしたいのか、いくらくらいの予算を適正だとするのか、何冊くらい作りたいのか、という色々がよくわからないと思います。
ぜひぜひ、よくわからないままご相談ください。
ご連絡はメール・SNS・HPのお問い合わせフォームなどから、いつでもお待ちしております。
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