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「髪のパサつく季節はオイルで美髪♡」のウソ?ホント?……美容師が知っておきたい★ケミ用語集

美容師は必須、お客さまも知って損はない!
「毛髪とダメージ」に関するケミ用語(ケミカル用語)をまとめました。

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これで完璧☆プロのケミ会話集⑬

お客さま「髪のパサつきや乾燥が気になるから、流行のオイル美容をやってみたいわ」
美容師「お客さま、髪の乾燥対策はオイルだと不十分なことが大半です。多くの場合、髪表面を覆う●●●●●●●が損傷したり●●●●●が剥がれ落ちたりしたことで、毛髪内部の●●や●●●が流れ落ちてちまうのです。」
美容師「●●をしてあげないままオイルを塗るのは、化粧水をつけない乾燥した肌に、乳液でフタをするのと同じですよ。髪内部の水分やそれを保持する●●●を補わずにフタをしても、対策にはなりません」
お客さま「そうだったの?どうすればいいのかしら」
美容師「お客さまの髪の状態に合わせて、必要な成分を補っていきましょう。髪を覆う保護機能はとてもデリケート。ご自宅で毎日ケアすることが大切ですよ」

【問題】

ヘアケア成分とその目的をわかっていますか?

枝毛予防……●●●成分

ハリコシ……●●●●成分

乾燥……●●●●●酸成分

指どおり……オイル

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●●●に何が入るか分かりましたか?
分からない方は下記のキーワードをチェックしてくださいね!
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[毛髪とダメージ]

一口にダメージと言っても、一体どんな状態なのか。比べてみましょう。

【健康な髪】

健康な髪にはツヤと適度な硬さと弾力、疎水力がある。3層構造のうちコルテックスとキューティクルの損傷状態が影響する。

①弾力

髪の弾力の元になるのは、ミクロフィブリルなどの繊維質による硬いバネのような性質と、その間を埋める間充物質の柔らかい性質の構成バランスである。両者が適度な割合で混ざっているため、髪は特有の弾力性としなやかさを持つ。

②ツヤ

髪にツヤをもたらすのは、損傷の少ないキューティクルとその表面に存在する18MEAである。摩擦や熱、薬剤反応などによって18MEAが少なくなったり、キューティクルそのものが損傷するとツヤを感じづらくなる。ツヤとはそもそも光の屈折率で感じる質感の見え方なので、キューティクルが均一に並ぶ直毛の人ほどツヤを感じやすくなる。

【ダメージの要因】

毛髪そのものは非常に強度の高いタンパク質で構成されているが、毛髪表面は日常生活で損傷しやすい。水に濡れること、極端な乾燥、紫外線、熱、摩擦などによって脂質が流れたり、キューティクルが損傷して内部物質が流れたりしてダメージする。

①生理的要因

ホルモンバランスの乱れや精神的ストレス、食生活などの内的要因によるダメージ。毛髪を成長させる毛乳頭への栄養や血液が滞ることで、毛髪をつくる材料が不足する。ツヤがなくなったり、髪が細くなったりする。

②生活活動

ブラッシングやシャンプー、ドライヤーなど、普段生活しているだけで摩擦、熱、水などのダメージを受ける。これらを避けるのでなく、損傷を最小限に抑えるために正しいやり方を習慣にすることが大切である。

③美容行為

ヘアカラーやパーマなどの薬剤メニューでも髪は損傷する。過度なブリーチや施術不良なパーマは、リカバリできないほどのダメージを与えることがあるので、履歴や状態を適切に診断して施術する。

④自然環境

日光の紫外線・赤外線、湿度や乾燥、海水や潮風などの屋外環境にもダメージの原因がたくさん潜んでいる。最近では大気汚染物質の頭皮や毛髪に対する影響も深刻である。

【ダメージ毛】

①毛髪の撥水性

ダメージ毛の毛髪表面はキューティクルの損傷により、疎水性から親水性に変わる。ダメージレベル3以上は水を吸いやすくなる。

②水分吸収量

キューティクルの損傷にとどまらず、毛髪内部に空洞ができるダメージレベルになると水を内部にまで吸い込みやすくなる。毛髪を濡らしたとき、くたっとハリがない状態だとダメージレベル4以上になっているという指標になる。

③毛髪の強度と伸び

毛髪内部のダメージが進むと、髪を引っ張ったとき伸びやすく、弱い力でも切れやすい状態になる。ダメージレベル5になると伸びずに、すぐに切れてしまうため、比較的切れ毛の起こりやすい状態といえる。ウエット時や乾いた状態で毛髪を引っ張って、ダメージレベルを確認する指標にする。

【水とダメージ】

毛髪は濡れるだけでもダメージを受ける。キューティクルの3層構造のうち、その内側の部分が吸水力が高いため、水に濡れるとキューティクルが開いた状態になる(膨潤)。キューティクルが膨潤した状態の毛髪は、乾燥した状態よりも摩擦に対してダメージを受けやすくなり、キューティクルがはがれ落ちるなどしてツヤのない状態になってしまう。


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