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リマ

リマはエルニーニョ現象による海水温度の上昇の影響で、稀に見る暖冬だとか、日中はだいたい20℃、夜も18℃くらいだったが、自分にとっては肌寒かった。
リマには父方の祖母が住んでいて、4年ぶりに会いにきた。祖母は先日95歳になっていた。
2日到着が遅れたせいであまり時間はなく、祖母と過ごすほか、祖母の年金受け取り継続に必要な在留証明書を領事館に申請したり、キャッシュカードの更新をしたりした。また、5月に開所したばかりの国際交流基金リマ文化センターに挨拶に行ったり(2019年にリマ公演をやったときは国際交流基金の事業だった)、とある舞台フェスティバルのプロデューサーと会ったりしていたら、たぶん気候の違いと疲れで熱が出て1日寝込んだ。

リマでの移動ではバスかuberのような配車サービスを利用した。
バスは幹線道路にいると、さまざまな種類がひっきりなしにやってきて、運転手やあるいは担当の人が行き先を叫んでいる。車体にどこを通るかも書いてあるので、目当てのバスに乗り込んで行き先を告げ、言われた金額を払う。降りるときはちょこちょこ停まるのでタイミングを見て降りるか、運転手に声をかければいい。3車線くらいある車道をどの車もバスも車線変更をしまくり、クラクションを鳴らしまくり、しかもバスは乗客をたくさん乗せたいから急に止まる。よくもまあ事故が起きないものだと思う(実際にはしょっちゅう事故は起きている)。歩行者用の信号が青になっていても、平気で車が曲がってくるので、神経を研ぎ澄ませていないといけない。だが、そういうのも含めてリマは活気があるので出かけるのは楽しい。
日本の路線バスと同じ大きさのバスが、ウィンカーも出さずに車線変更をしまくって、前や横の車のぎりぎりを行くあたり、またほかの自家用車も同様にどうにかして早く進もうとするあたり、短距離走をマラソンみたいに専用のコースもなく、外から内から追い抜き追いたり越されたりしてるみたいだなと思った。以前からまるで車が生き物のようだなと思っていたが、運転者の体が拡張している感じなんだと気づいて合点がいった。けっきょくそれが渋滞の原因になっているのだが。。

野菜たっぷりのチキンスープ(sopa de pollo)
カイグアというきゅうりに似た野菜にひき肉やオリーブなどを入れたもの(caigua rellena)
なんだか忘れたけど、インゲンみたいな野菜と鶏肉にとろっとしたタレが絡んでうまい
チキンライス(arroz con pollo)
紫とうもろこしのゼリー(mazamorra morada)

リマには1週間しかいられず、祖母を置き去りにするような後ろめたさもありつつ、祖母の世話をしてくれているヨランダとその家族に謝意を伝えて、サンパウロに向かった。サンパウロでは約1ヶ月滞在し、エドゥアルド・フクシマと新作の1本目を創作する。


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