買物袋有料化の根拠を考える

最近何かと耳にする「買物袋の有料化」。

新型コロナに関する記事が落ち着いたので、レジ袋に関する一連の根拠を簡単にまとめておきます。

容器包装リサイクル法

まず、法律としては「容器包装リサイクル法(容リ法。正式名称:容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律)」があります。

第1条 この法律は、容器包装廃棄物の排出の抑制並びにその分別収集及びこれにより得られた分別基準適合物の再商品化を促進するための措置を講ずること等により、一般廃棄物の減量及び再生資源の十分な利用等を通じて、廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

要は、容器包装のゴミを減らしリサイクルをしていき、資源を有効活用していきましょうという法律です。

この法律に、平成18年の改正で排出抑制促進措置が加わりました(①ガイドラインを制定し、一定量以上の容器包装を利用する事業者に対し、②取組状況の報告義務付け、③取組みが著しく不十分な場合は勧告・公表・命令を行う措置)。


関係する省令

これに基づいて、判断の基準となる省令が昨年改正されました(改正判断基準省令)。

この省令の第2条が、有料化に関するものです。

第2条 事業者は、商品の販売に際して、消費者に・・・プラスチック製の買物袋・・・を有償で提供することにより、消費者のプラスチック製の買物袋の排出の抑制に相当程度促進するものとする。

対象となる「事業者」に対して有償提供を促しているわけです。

また、その他の取組みとして、「繰り返し使用可能な買物袋等を提供すること」なども挙げられています。エコバッグって、こんな感じの言い方になるのですね。

そしてこの省令の附則では、

この省令は、令和2年7月1日から施行する。

となっているので、この7月1日から有料化が始まる、ということになります。


有料化の対象となる「事業者」(施行令)

施行令5条に、有料化する「事業者」が定められています。

第5条 法第7条の4第1項の政令で定める業種は、各種商品小売業、織物・衣服・身の回り品小売業、飲食料品小売業、自動車部分品・附属品小売業、家具・じゅう器・機械器具小売業、医薬品・化粧品小売業、書籍・文房具小売業、スポーツ用品・がん具・娯楽用品・楽器小売業及びたばこ・喫煙具専門小売業とする。

要は、何か商品を売る店はだいたい含まれることになります。

また、業態のうち一部でも商品の売買が含まれれば、その範囲は有料化の対象になります。

例として挙げられているのは、

  ①ホテルの中のお土産店

  ②サロンの美容品販売

です。

なお、持ち手のついた袋だけではなく、丸い穴が空いていて手を入れる形状の袋、巾着状になっている袋なども対象とされています。


有料化の対象外(無償でもいい袋)

かなり広範に有料化となりますが、以下のようなものは有料化の対象外になります。

 その1 「商品」を入れない袋

商品でないものを入れる袋は、無料でもOKということになります。

例えば

  ①試供品や商品券などを入れる袋

  ②サービスの提供に使われる袋(例えばクリーニング店が服にかける袋)

などは有料化しなくてよいことになります。

 その2 持ち手のない袋

省令で、持ち手のない袋は除くとされています。

食料品売り場でみる野菜などを入れるビニール袋などが典型例でしょうか。

 その3 エコに適した袋

省令で、エコに適した袋は対象外とされています。

 ①厚みのある袋(繰り返し使えるので)

 ②海洋生分解性プラスチックの袋(環境負荷が小さいため)

 ③バイオマスを使った袋(同上)

 その他 有料化の対象にならないもの

その他、業者ではない場合(個人がフリマで売る場合、学園祭の売店など)には、有料化の対象にはなりません。


まとめ

以上のように、ざっくりとまとめると、

  ①商品を売る事業者に適用される省令が改正された

  ②その省令に「有料化しようね」と書かれた

  ③その省令が動き出すのが7月1日

  ④守らないと是正措置等を食らうので、みんな守ろうとしている

ということになります。

エコバッグ自体が衛生的かなどの問題もあるようですが、袋の素材開発なども含め動向に注目していきたいと思います。

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