新型コロナウイルス感染症対策②~納税猶予(確定申告や納付の猶予)

新型コロナウイルス対策として、各種納税についての特例が定められています。特に事業者・フリーランスには効果がありそうなものですが、期限があるものもあるのできちんと整理しておきたいところ。

その1 確定申告

確定申告の期限、そして納付の期限が、1か月延長されています。

事業者・フリーランスからみると、

申告所得税(+復興特別所得税)

個人事業者の消費税・地方消費税

という、2大確定申告の煩わしさが1か月延期されているのが重要です。

これに伴い、納税のタイミングも1か月(振替納税をしている場合も1か月)遅くなります。1か月資金を貯めておけるのは意味がある方もいるでしょう。

なお、個人事業改廃業等届といった、確定申告周りのものも延長されていますので、忘れていたという方は提出のチャンスです。

予定納税の減額申請は、期限がまだ先(7月か11月)なので、今回の延長には含まれていません。今後の状況次第といえます。

さらに、所得税・消費税といった典型的なものだけではなく、

・贈与税

死亡に伴う準確定申告(2月17日~4月15日までに期限が来るもの)

も延長されています。

いわゆる確定申告であれば、「毎年のことだな」と慣れている方もいらっしゃるでしょう。他方、特に死亡に伴う準確定申告は、例えば「年金受給者の親が亡くなった。自分は会社員」といった、普段は確定申告に馴染みのない方々も対象になる制度です。

これは亡くなった日(正確にはそれを知った日)から4か月以内に申告する必要がありました。亡くなったらなるべくすぐに年金等の処理をし、それを基に申告するので、油断しているとあっという間に期限が過ぎてしまいます。これも延長されているので慌てずに取り組みたいところです。

*一律に1か月延長ではなく、4月16日まで延長となっているので、亡くなった日(それを知った日)によって延長される日数が変わるのには注意。

*他の税金(相続税など)については、税務署に個別延長の申請をしていくことになります。感染者や濃厚接触者になり外出できない場合などが典型です。

その2 納付の猶予

どの税金でも、個人でも法人でも、納付を猶予される場合があります。

【換価の猶予の主な条件】

納期限から6か月以内に申請

・納めてしまうと事業継続や生活維持が困難になる

担保の提供ができなければ担保不要

【納税の猶予の主な条件】

・感染した

・財産に相当な損失、事業に著しい損失

【猶予されると】

・1年間猶予→その後分割納付、延滞税軽減・免除


ざっと納税関係を整理してみました。

一律で利用できるもの(申告期限の延長など)もありますが、納付の猶予などは「税務署に相談してほしい」とアナウンスされていますし、「税務署がある程度個別に判断」という運用になりそうです。納税に不安を感じたら、とりあえず一報を入れておくのがよいと思われます。

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