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こどもの本棚から 『のりたいな』

  こどもが車輪をすきらしいと確信したのは、『きかんしゃトーマス』のオープニングが流れる度に手のひらをヒラヒラさせて踊り出すことに気がついたときだった。クルマ、風車、ナット、タッパのフタ、こま、蛇口……どうやら軸があって回転するものがすきらしい。

  アニメや電動のおもちゃはいつから始めようか?と少し考えた結果、我が家では「なんでもはやくに体験させてみよう」となり、テレビもたくさん見せるしラジコンのおもちゃでもあそぶのだけど、ラジコンは怖いみたい。(現在、一歳三ヶ月)

  街をびゅんびゅん走る電車や自動車を指差してよろこび、車輪のついたおもちゃを「ブーン」と自走させてあそぶのに、リモコンで動くラジコンのクルマはとっても怖いらしくて、なにが違うのかわからないけどおもしろい。

  最近変化したのは二次元の車輪にも興味を示し始めたこと。
  今のお気に入りは『のりたいな』(福音館書店)だ。

  精密に切り絵で表現されたはたらくクルマが見開きいっぱいに大きく描かれている。一色に見える面もよく見ると微妙な色のパッチワークになっていて豊かだ。

  イクラちゃんのように「はい」だけで会話をしようとするこどもが、この『のりたいな』を「はい」と得意げに渡してくるので「そうですね、この本はいい本だね」としみじみ見入ってしまう。本当に丁寧に描かれているから。

  私がいちばんすきなページは、日々お世話になっているヤマトさん。このクルマ、こんなに可愛かったっけ。実物を探して確かめたくなる。

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