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「本当に賢い人って1を聞いただけでサクサク答える人」(芥川賞作家・平野啓一郎氏)

 都知事選に立候補して有名になった石丸伸二氏に苦言を呈した、芥川賞作家の平野啓一郎氏の言葉が「なるほど」と思ったので紹介します。

 都知事選では小池百合子氏に次いで2位と躍進した石丸伸二氏でしたが、選挙後のメディア対応で馬脚をあらわす結果となりました。

「すべてが怖い」石丸伸二氏 逆質問、元乃木坂・山崎を威圧…たった一日で露呈した「話の通じなさ」
7/10(水) 11:00配信
女性自身
「NHKをはじめ、マスメディアが当初全く扱わなかった」

こう語ったのは、石丸伸二氏(41)。7月7日投開票の東京都知事選では、当選した小池百合子氏(71)との一騎打ちが予想されていた蓮舫氏(56)を抜き、2位に躍進する勢いを見せた。

投開票後は支持者の前で挨拶し、メディアのインタビューにも引っ張りだこに。報道陣から「今回及ばなかった要因を自身はどう感じている?」と質問されると、冒頭のように満面の笑みで返答。支持者たちから歓声が沸き上がると、質問した記者に「そういうところ!」と指摘していた。

今後については「まだ決めていません」としつつ、国政進出の可能性を問われると「選択肢としては当然考えます。例えば広島1区、岸田首相の選挙区ですね」とコメント。さらに「簡単に言うと、ぜひ引き続き、石丸伸二にご期待ください」と、自信たっぷりに語っていた。

この直後にはメディアの選挙特番にも多数出演したが、物議を醸したのは石丸氏の受け答え。インタビュアーへの態度が“高圧的”だとして、一夜にして批判が集中したのだった。

■「違うニュアンスで聞かれてます?」逆質問を繰り返す石丸氏

例えば、7日放送の『開票LIVE2024~カオス!東京で何が起きていたのか』(TBSラジオ)では、21時すぎにリモート出演した石丸氏。パーソナリティーを務めるメディア評論家の荻上チキ氏とライターの武田砂鉄氏とのやりとりは、始終噛み合わない様子だった。

まず荻上氏が「今回の都知事選挙、手応えを感じたと先ほど発信もされていましたが、特にどんな点、手応えを感じた選挙だったのでしょうか?」と問うと、石丸氏は「うん? どのくだりをされてらっしゃいます?」といきなり逆質問。

荻上氏が「先ほどぶら下がりの中で、今回の選挙、自分たちは頑張ったと、走りきったというような話をされてたと思うんですが。はい。特にどういったところに力を入れて、どんな手応えをお感じになりましたか」と補足すると、石丸氏は「手応えの話じゃないですよ、それ。自分たちができることを全部やったという意味です。はい。で、何かの反応では。反応ではなくて、自分たちの実感の話をしました」と回答。

改めて荻上氏が「では、どんな点に手応えを感じたんでしょうか」と聞くと、石丸氏は「手応えって言うんですかね。それ。なんだろう。自分たちでこれをやろうと決めて、それを実施した、実行したという。それを手応えって言うのかな。でも、手応えってもっと反応のことを言うかなっていう気はします。なんか違うニュアンスで聞かれてます?」と再び逆質問。「手応え」の意味にこだわり、選挙における具体的な事例については語らなかった。

次に質問をしたのは、武田氏。石丸氏が今年5月に上梓した著作『覚悟の論理』(ディスカバー・トゥエンティワン社)の内容を引き合いに、こう投げかけた。

「(同著を)ちょっと熟読させていただいたんですけれど、メンタルが強いですねという風に言われて、なんでメンタルが強いかって言われたかというと、その相手の問題はどうなっても私は知りませんよと割り切れるというところ、と書かれていてですね、ちょっとこう、政治をやられる方からすると、この相手の問題がどうなっても私は知りませんよっていう風に言われると、ちょっとぎょっとしちゃうなというところも感じたんですけれども。選挙戦でいろんな立場の人とお会いしてお話しすることがあったと思いますけれども、この本に書かれたことっていうのは、特に考えとしては変化はないですかね?」

すると石丸氏は「どういう点をぎょっとされたんですか? そんなにおかしなこと言ってるつもりがなかったんですけど。どこに違和感を覚えられました?」と、武田氏の質問全体を否定した。

武田氏が改めて意図を説明するも、 石丸氏は「失礼ですが、本当に熟読されました?」と疑いの目を向け、武田氏は「熟読しましたね」と即答。その上で石丸氏は、「そういう風な思いでは言っていません。ええ、はい。自分の責任の範囲を定義するという意味において、その話をしてます。で、政治において意見のやり取りをするってのは当たり前ですよね。それを否定はしてないはずで」と説明したのだった。

元乃木坂46の山崎怜奈は「すみません、不勉強で」と詫びて……
そんな石丸氏は『Mr.サンデー“七夕決戦”都知事選SP』(フジテレビ系)の中継でも、元乃木坂46のタレント・山崎怜奈(27)に手厳しい態度をとっていた。

まず山崎は「真摯に受け答えようとしている姿勢がすごく素晴らしいなと思いました」と称賛した上で、石丸氏が実現したい公約が、国政と都政どちらに比重をおいているのかを質問。

すると、石丸氏は苦笑しながら「大変申し訳ないですが、前提のくだりがまったく正しくないなというふうに感じましたよ。ゼロ公約と私が今回掲げた政策、どこに共通点があるというふうに。全然次元が違うと思うんですけども」とバッサリ。

山崎は自らの発言を補足しようとしていたが、石丸氏は遮るように「解決ができない問題を作ってしまってたのが、あの7つの公約の実態です」とコメント。

すると山崎は「小池さんとは分けさせてください。すみません、不勉強で」と詫び、改めて「国政の規模でしかできないことが、都政で実現したいって打ち出してる公約の中にもあったのかなっていう声も、私は受けたんですけど。そこの声に対しては、どうお考えですか?」と尋ねた。

しかし石丸氏は、「それ見方が違うんじゃないでしょうか。国政のレベルでやる、例えば国防とか外交はもちろん、都の範疇に入りません。ただ私があの中でうたったものは全て東京都として関与できる、裁量がある、その範囲に限定しています。当たり前の話ですけど」と否定的なコメントを返していた。

石丸氏にタジタジだった山崎だったが、同じスタジオにいた前明石市長の泉房穂氏は9日にXで、《何も間違ったことを言っていないのに、「正しくない」と断定され、さぞ驚かれたと思う。それでも臆せずに「教えていただけますか」とか、「すみません不勉強で」といった受け答え、立派で誠実な対応だったと私は思う。それにしても、石丸伸二氏の対応が不思議でならない・・・》と山崎をかばいながら、石丸氏への疑問を投げかけていた。

■露呈した“通じなさ”に広がる落胆の声「上に立つ器してないよ」

インタビュアーの質問をはぐらかし、威圧的な態度をとる石丸氏の論法には日に日に批判が高まっている。

「日本テレビ系のYouTube上での選挙特番でも、社会学者の古市憲寿さんが、石丸さんがかねて批判している“政治屋”と石丸さん自身の違いについて追求すると、『同じ質問を繰り返されています? さっき答えたばかりです。もう1回(定義を)言えってことですか?』と返答。古市さんは繰り返し質問の意図を説明していましたが、石丸さんが自らの考えを明確に答えることはありませんでした。

どの選挙特番でも石丸さんはインタビュアーの言葉尻を捉え、質問を質問で返す態度が目立ちました。政治家を志すならば、選挙に関する質問には丁寧に答えてほしいところ。疲れもあったのでしょうが、相手を小馬鹿にするような態度は批判を集めています。こうした会話の仕方は、SNSで“石丸論法”とさえ呼ばれはじめています」(スポーツ紙記者)

たった一日の各選挙特番で露呈した石丸氏の“通じなさ”は評価を下げているようで、SNSでは苦言を呈する声が広がっている。

《石丸さん言葉のキャッチボールができてなくて会話が成立しない一昔前のSiriみたいだな》
《20代前半だけど石丸さん嫌いになったよ。 選挙後のテレビ出演とか見ても上に立つ器してないよ。質問が悪いとか言ってる信者いるけどどんな質問であろうと不機嫌さを表に出してる時点で都知事に向いてるわけない》
《石丸さんの言いたいことってすごく共感するとこもあるんだけど、やっぱり相手に伝わるように話すっていうのは大事なことだと思う。全員に理解、共感を求めるのは難しいけど、誤解された形で会話終了するのはお互いに損だよね》
《石丸伸二氏の話の通じなさ、揚げ足とり、笑ってない目のすべてが怖い》

「すべてが怖い」石丸伸二氏 逆質問、元乃木坂・山崎を威圧…たった一日で露呈した「話の通じなさ」(女性自身) - Yahoo!ニュース

 このようにネットのあらゆる記事で酷評されている石丸氏に対し、京都大学の先輩である芥川賞作家の平野啓一郎氏から苦言がありました。

石丸伸二氏 京大先輩の芥川賞作家から苦言か「本当に賢い人って1を聞いただけでサクサク答える人」
7/10(水) 17:51配信

デイリースポーツ

 7日に投開票された、東京都知事選で小池百合子知事(約291万票)に次ぐ約165万票を獲得した石丸伸二氏(41)について、芥川賞作家が疑問を呈した。

 石丸氏は、7日夜の各テレビ局が放送、配信した開票特番キャスターで定番的な質問に、皮肉やダメ出し、質問が理解できないとする対応で返したことが話題となった。

 作家の平野啓一郎氏(49)は、8日に投稿したXでは「本当に賢い人って、1を聞いただけで、或いは相手が0.3位しか上手く言えなくても、10まで理解してサクサク答えるような人ではないか。コミュニケーションのコストが無駄に高い人(冷笑的、恫喝的、言葉のマイ定義に拘る、話を聞かない、嘘つき、論点ずらし、etc...)は困る。特に政治家は。」と記した。名指ししていないものの、石丸氏を指すものと解釈されている。

 平野氏は、京大在学中の1998年に「日蝕」で芥川賞を受賞した。石丸氏も京大卒で、平野氏は先輩にあたる。

石丸伸二氏 京大先輩の芥川賞作家から苦言か「本当に賢い人って1を聞いただけでサクサク答える人」(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

「本当に賢い人って、1を聞いただけで、或いは相手が0.3位しか上手く言えなくても、10まで理解してサクサク答えるような人ではないか。コミュニケーションのコストが無駄に高い人(冷笑的、恫喝的、言葉のマイ定義に拘る、話を聞かない、嘘つき、論点ずらし、etc...)は困る。特に政治家は。」

 確かに「その通り」だと思いました。

 この記事のコメント欄に次のようなコメントがありました。

何時からか相手を論破すれば賢いみたいな風潮になったけど、実社会で相手を論破しても得るものはない。 特に地方政治家なんて異なる利害を調整するのが仕事。首長と議会が感情だけで衝突したら何も進まない。

石丸伸二氏 京大先輩の芥川賞作家から苦言か「本当に賢い人って1を聞いただけでサクサク答える人」(デイリースポーツ)のコメント一覧 - Yahoo!ニュース

 本当に頭の良い人は「問題解決能力がある人」だと思います。特に政治家にはそういう能力が求められますよね。

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