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紹介したいnote記事「初めての雑誌投稿」

夕希さんの「初めての雑誌投稿」という記事を紹介します。

「中学の時に好きだった人がいて、高校生になってもずっと忘れられなかった」

 夕希さんは、進学で地元を離れる事が決まった事を機に、好きな人に告白しようと決めました。

「彼に好きだったと告白した。友達としか考えられないと言われた。それは予感していたから、分かっていたから涙も出なかった」

 残念ながら告白は実りませんでした。それでも彼はその後も会ってくれて、12月24日にも会う約束をしました。ところがドタキャンされてしまい、渡すはずだったプレゼントも捨て、その後は会っていません。

「もう2度と彼には会えないし会わない。そんな気がしていた。忘れたいけど、忘れられない。あやふやな思いだけがずっと心にあった」

 消化されない感情を抱えていた夕希さんは、当時愛読していた雑誌に好きな彼への思いを書いて投稿しました。

「書くと言うより書き殴ったという方が正解かもしれない。投稿のきっかけが失恋や未練なんて情けないけど、もし、私が書いた彼への手紙が雑誌に載ったら、潔く思い続ける事をやめようと決めていた」

 3月になり、本屋で雑誌を手に取ってめくりました。

「見開き1ページ、私の彼への手紙が掲載されていた。省略されていない、手直しもされていない。私が書いた長い文面そのものだった。驚いたけど拍子抜けてしまった自分がいた。複雑だったけど、少し嬉しかった」

「上手く書こうとか、きれいな言葉で書こうとか、誰かが見て何か言われたらどうしようとか、そんな事を考える余裕も無く、自分の言葉で正直に書いたから、雑誌に掲載されたのかもしれない」

 頭の中で作り上げた創作ではなく、嘘偽りのない自らの体験と感情を赤裸々に書いたからこそ、雑誌編集者の胸を打ったに違いありません。

 この体験が、夕希さんをnoterにするきっかけになったのでしょう。

「文章が書けなくなる時が来たら、またこの気持ちを思い出そうと思っている」

 正に、文章を書く原点になったのが「失恋」だったわけですね。

 私自身、惚れっぽい人間ですから、失恋してばかりです。告白なんて出来ないものも入れたら数えきれないでしょう。

 でもその経験が、「切ない恋愛短編集」を書くにあたって大いに役立っています。

 どんな経験でも、無駄なものはないって事ですよね。

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