50歳超えの大学院留学(オンライン)‥コロナと、老人ホームへの面会についての質的研究‥多くの人は現状を肯定する

特別養護老人ホームに入っている母親の面会が、許可されないのがどうにも承服できなくて、他の家族はどうしてるのかという思いから修士論文のテーマを決めた。

自分でインタビューしたものを、thematic analysis しなさいと指示された。
9人のインタビュー参加者が、やっとのことで集まった。
国籍も、住んでる国もバラバラだった。
老人ホームに家族のいる参加者は‥友だちまで含めても‥たった4人だった。
この参加者のインタビューから、意味のある結果を出さなければならなかった。

インタビュー参加者に入所者当人・家族以外の人を含めるのはどうしてかは、このような事を無難バージョンで書いた。

老人ホームへの面会には入所者当人と家族の意向だけでなく、老人ホームの職員や世間さまの考えが大きく影響する。
老人ホームの職員が、こんなに感染対策ガンバってるのに、大変なのに、自分たちの私生活まで制限されてるのに、面会者が来るなんてダメよ、もうやってらんない、辞めてやる!‥例えば、こうなると関係者全員が困る。
マスコミが、(また)老人ホームでコロナのクラスターが出ました!と報道すれば、入所者は感染に弱いんだから面会させちゃダメよねとか、下手したら老人ホームが流行の波の源泉なんて言われかねないのでは?

次に居住国や国籍を限定しないのは、どうしてか。
担任に、これは質的研究だよ、比較するんじゃないんだよと口を酸っぱくして言われていた。
だけど、量的に比較するんじゃない、質的にも比較するんでなく、様々な状況下でどんな思いを抱き、行動するかを探るのだと書いた。

苦し紛れの言い訳ではあったけどそれで通ったのだから、参加者の選定を正当化する必要性を知っていることを示し、それが論理的に大きく破綻してなければいいと、そういう事かなぁ?

インタビューから得た結果としては、老人ホームへの面会についての意見は大きく3つに分かれた。

回答者グループ1:
住んでいるのが面会制限(と回答者が認識)の日本か、面会許可(と回答者が認識)の外国かにかかわらず、新型コロナの流行は大した事態ではないと話した回答者では、皆が老人ホームへの面会は許可されるべきだと答えた。

回答者グループ2:
新型コロナは怖い、マスクや対人交流の制限等の「感染対策」が必要だと答えた回答者のうち、その地で老人ホームへの面会が許可されていると認識している人(アメリカ、フィリピン、ロシアの居住者とスペインでの面会事情を話した回答者)は全員がそれに反対しなかった。

このグループは全員が、老人ホーム等の施設には新型コロナのワクチンを打って証明書を示せば面会できると話した。回答者のうち1人はワクチンの有効性を信じてないけど、他の人は信じてるから面会に反対しないのだと言い、あとの回答者はワクチンは効果的だと答えた。

回答者グループ3:
新型コロナは怖い、マスクや対人交流の制限等の「感染対策」が必要だと答えた回答者のうち、その地で老人ホームへの面会が制限されていると認識している人(全員が日本に居住)は、皆がワクチンは有効だといい、にもかかわらず皆がワクチンを打っていても面会には反対だと答えた。

結論)
ということは、新型コロナが怖いと思う人のうち、老人ホームへの面会が許可されている地域(グループ2)では面会に反対しないけれども、制限されている地域(グループ3)では面会に反対していた。
つまり新型コロナを怖いと思おうが思うまいが、現に面会が許可されているから面会は安心だと思うのかも。

それとも新型コロナが怖いと言いつつも、ワクチン証明書を示すことによって面会が可能になる(グループ2)地域では、ワクチンを打てば面会は安全だと思うのか?
ワクチンを打っても面会が制限されている(と回答者が認識している)地域(グループ3)では、ワクチンを打っても面会は安全だと思えないのか?
つまり「ワクチン・パスポート」が面会への安心感をもたらしたのかも。

外国の居住者は誰も実際に自分の家族(や友人)が老人ホームに入ってないとか、いろいろと問題点は置いといて、以上の事が分かってきた。
しかし老人ホームの面会制限をなくしたことによる、面会への安心感の変化とか、「ワクチン・パスポート」による老人ホームへの面会についての安心感の変化について‥前にも書いたけど‥先行研究は、皆無だった😭。
どうやって考察を書いたら、論文の字数を満たしたらいいかと、この時点でもやはり五里霧中だった。

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