見出し画像

エンジニアと旅ブログ - kamimi流、旅の思い出の綴り方 -

-----------------------------------------
この記事は技術書典15の「エンジニアと人生」合同誌の第15章です。
(カバー画像は リルオッサさん作)
また、2023年の「エンジニアと人生」アドベントカレンダー17日目です。
-----------------------------------------


はじめに

エンジニア界隈では発信活動が重視されており、多くのエンジニアが Qiita や Zenn 、個人サイトなどに多くの記事を投稿しています。私 (kamimi) もその 1 人で、今年は 30 近くの技術記事を投稿しました。

しかし当初私は技術記事を執筆するハードルがとても高いと感じており、なかなか筆が進みませんでした。そこで、まずは自分の趣味に関することから書き始めました。そもそも文章を書いて投稿することに慣れていなかったため、自分が得意な内容でそれに慣れることから始めてみました。

この章では自分の趣味の 1 つ「旅行」をテーマに、自分流の旅行記事の書き方について紹介します。

旅好きなエンジニアは多いと思うので、発信活動の第一歩として旅行記事を書いてみるのはいかがでしょうか。

自己紹介

はじめまして。kamimi と申します。🌞

普段は iOS エンジニアとして働いています。文章を書くことがとても好きです。エンジニアとして技術記事を書くこともありますが、それ以上に日記のような技術とは関係ない記事を書くことも多くあります。

今回は私が所属している「エンジニアと人生」コミュニティで合同誌を作成することが決まったため、その企画に乗っかって自分の趣味である物書きと旅をテーマに書こうと思いました。技術書典にはいつか執筆者として参加したいと思っていたので、その希望が叶ってとても嬉しく思います。

なぜ「エンジニアと旅ブログ」なのか?

旅行記事を去年から投稿し続けており約 1 年が経ちました。基本的に泊まりが必要な旅行について書くため記事数は 10 本ほどとまだそこまで多くありませんが、自分なりの執筆の流れが固まってきたので、この機会に書き始めたきっかけから実際の流れまでをふりかえってみようと考えました。

副タイトルにもあるように、kamimi 流であって「これが正しい旅行記事の書き方だ!」といった主張をするつもりはありませんし、「これで絶対ビュー数が増える!」というわけでもありません。人によって書き方はそれぞれですし、自分もまだ研鑽中なので、あくまで「こういう人もいるんだな」くらいの気持ちでお読みいただけると幸いです。

旅ブログを始めたきっかけ

私が旅ブログを書き始めたきっかけは以下2つがあります。

① 分野を問わず、文章を書く練習がしたかった
② 旅行時の思い出を振り返る何かが欲しかった

① 分野を問わず、文章を書く練習がしたかった

元々は旅行記事ではなく、エンジニアらしく技術記事を投稿したいと思っていました。ですが自分の知識に自信がなかったり、仕事に直結する内容であることから、「間違ったことを投稿していたらどうしよう」など発信活動自体に大きな心理的ハードルがありました。

どうすればこのハードルを下げることができるか考えた時、技術記事の前にそもそも記事自体をほとんど書いたことがないと気づきました。そこで以前から趣味の 1 つだった旅行をテーマに文章を書き始めました。

私が書く旅行記事では、主に自分が行った場所や食べたものなどその場で体験したことをその時の感情と共に書いています。技術記事と比べると正解やベストプラクティス、デファクトスタンダードいったものががほぼ存在しない内容なので、基本何を書いても誰に責められることもありません。(もちろん読者を不快にさせない表現には注意しています。)自分が思ったことをそのまま書いているだけですから。

技術とはあまりにも関係がないため、技術記事を書くときに参考にならない部分も多くあります。ですが記事を執筆して投稿するまでの流れはほぼ同じですし、何より文章を書いて投稿するということへの心理的ハードルを下げるには十分でした。

② 旅行時の思い出をふりかえる何かが欲しかった

旅行のときは写真や動画を撮るので、それらを見ることである程度の記憶は思い出すことができます。ただそれらで残すことが難しいこともあります。たとえば、お土産屋さんで気さくに話しかけてくれた店員さんとの会話や単純に写真に撮り忘れていたり、一緒に旅行した人との会話などです。

そういった内容を記事として文字に書き起こすことで、より鮮明に思い出を呼び起こすことができています。

どんな旅行記事を書いているのか

ここでは普段私が書いている旅行記事の内容や使用しているサービスについて、簡単に紹介します。

旅行記事の内容

私が書いている旅行記事は、未来の自分も含めた読者が旅をしている気分になれるように、執筆しています。
ですので、時系列で起きたこと、やったことをそのまま文章に起こしています。具体的には以下のような構成をとっています。

・ わたしのプラン
・ 目的地までの移動
・ 宿泊 1 日目
  ・ 行った場所その 1
  ・ 行った場所その 2
  ・ ・・・
  ・ 行った場所その n
・ 宿泊 2 日目
・ ・・・
・ 宿泊 n 日目
・ 帰りの移動
・ おわりに

実際の記事の目次はこのような感じです。

【ベトナム旅行記】真夏のハノイで2泊4日旅」 の記事の目次

また私の旅行記事の特徴として、何かが起きたまたはやった時の感情を詳細に残すようにしています。「あのパン、ふわふわで美味しかったなあ」「歩きすぎて疲れたなあ」といったその時の感情も一緒に書くことで、より鮮明に当時のことを思い出すことができています。

ここまで読んできて「記事が長くならない?」という疑問が浮かんだのではないでしょうか。はい、とても長くなります。私の旅行記事の平均文字数は約 7,000 字ほどで、長いものだと 1 万字を超えます。

前述したようにこの記事は私の脳内記録も兼ねているため、詳しく書けば書くほど長くなってしまうのは仕方ないと思っています。ですが全てを読むにはあまりにも長いので、記事の最初に旅のルートや見どころを書いた一枚ペラのまとめを添付するようにしています。

【ベトナム旅行記】真夏のハノイで2泊4日旅」の記事のまとめ

私は aruco や地球の歩き方といった旅行本を読むことが好きなのですが、そういった本には画像と共にモデルコースの紹介がされていることが多いと思います。そこから着想を得てこのようなまとめを作るようにしました。

載せる情報をかなり絞っているため、「これを見れば全く同じルートで旅行できる!」というほど情報は多くありません。ですが、何が有名なのか、どういったルートで何をしたのか、がざっくりとわかるようになっていると思います。

使用しているサービスとそのメリット

note というサービスを使用しています。エンジニアのようなクリエイターであれば知っている人も多いと思います。

私の今までの経験だと note を使用するメリットは、以下の2つがあります。

① 他の旅行者と繋がりやすい
② 他メディアに掲載される機会がある

① 他の旅行者と繋がりやすい

note には多くの旅行記事が投稿されています。そして旅行記事を投稿する人は、同じくらい他の人の旅行記事を見ています。

私も同様で、未知の場所への興味や時には記事の書き方の参考にするために、よく他の人の記事を読みます。そこで気に入ったものにスキをしたり、フォローをすると、フォローを返してくれる人、時には記事にコメントをもらえることもあります。このように旅が好きなもの同士が簡単に繋がることができます。

② 他メディアに掲載される機会がある

note ではアカウント設定で「プロモーション利用を許可する」をオンにすると、note 以外の他のメディアに自分の記事を紹介してもらう機会が生まれます。(note 公式ページの説明はこちらから)

ただもちろん全ての記事が紹介されるわけではないようで、スキの数やビュー数などから注目度が高い記事が紹介されているのではないかと推測しています。
これによって note 以外からの読者が流入する可能性が高まり、記事をより多くの人に読んでもらうことができます。

以下は「【金沢旅行記】金沢でほっとひといき2泊3日」の記事が SmartNews に紹介された時のメール本文です。

記載の通り、配信側の仕組みにより記事が表示されない場合もあるということなので、間違いなく表示されたかどうかはわかりませんが、スキの数が大幅に増えた時期がありました。スキが多いと単純に嬉しいので、次の記事を書くモチベーションも上がります。

【金沢旅行記】金沢でほっとひといき2泊3日」の記事が SmartNews に紹介された時のメール本文

記事作成フェーズごとのコツ

旅行記事を書く上で自分なりに注意していることについて、フェーズごとに紹介します。私がいつも参考にしている上阪徹さんの書籍『10 倍速く書ける 超スピード文章術』の目次に従い、以下のように 4 つのフェーズに分けています。

① 素材集め
② 素材構成
③ 執筆
④ 推敲

私が特に意識しているのは ① と ② なので、その2つのフェーズにおけるコツを中心に紹介します。

① 素材集め

旅行記事なので当然ですが、まずは旅行をします。

この時によく行うのが、自分の感情をメモしておくことと、写真や動画をちゃんと撮ることです。

基本的にはただ旅行を楽しんでいるだけですし実際そうなのですが、その場で感じたことは意外とすぐに忘れてしまうので、その日の夜や長い移動時間などにメモをしています。この時にもう投稿する予定の note の下書きを作っておき、そこに直接書いてしまいます。

また、写真や動画もちゃんと撮ります。これはやっている人は多いと思いますが、私は意識しないと撮り忘れてしまうので、ここは記事のためと思って撮っていました。ですが当初はそう思って始めましたが、今では思い出を振り返る良いトリガーになっており、「もっと早くから撮っていればよかった・・・」と思いました。

色々と書きましたが、基本的にはその場の旅行を楽しんでいます。夜の就寝前は一人旅の場合は執筆のためのメモの時間に当てていますが、友人や家族など同伴者がいる旅行では一緒にその日の感想を語ったりと、その人との思い出作りの時間になることが多いです。

② 素材構成

旅行が終われば素材を構成、つまり記事を書き上げていきます。素材集めの段階できちんとメモをしておくと、この書き上げのフェーズがとてもスムーズです。

前述のように私の記事は時系列なので、毎日隙間時間にメモをしておくとそれがそのまま記事の流れになります。

前述の上阪さんの本ではこのフェーズにおけるコツとして、「〆切効果が最強のスピードアップ法」と「完璧主義がスピードを落とす」が紹介されています。個人的にこのフェーズで最も重要なことはこの2つだと思っています。

まず1つ目についてです。私は週末に旅行することが多いので、次の週末までに書き上げて投稿することを目標にしています。実際、あまり長い時間をかけていると記憶が薄れてしまうので、新鮮なうちに書き上げることを意識しています。

次に2つ目についてです。旅行記事以外を書くときも同様ですが、「最高の文章に仕上げるんだ!」といった意気込みは一旦捨ててとにかく手を動かして書くことを重視しています。意気込みすぎると、いちいち「こう書いた方がわかりやすいかな」といった迷いが生じてしまいます。書籍では「この迷いが、書くスピードをガクンと落とす」と書かれており、本当にその通りだと思います。

私の旅行記事の場合、普通に文章を書く以外にもう 1 つ行っていることがあります。前述の一枚ペラのまとめです。これは文章の方を書き上げた後に作成しています。あくまで一枚で見てわかるようにというまとめなので、文章を書き上げた後に作る方がスムーズに進みます。

③ 執筆 / ④ 推敲

最後に執筆と推敲のフェーズです。ここでは基本的に文章を読みやすく整えたり、削っていきます。

正直に言いますが、私はあまりこのフェーズに力を入れることができていません。もちろん本当は入れたほうが良いのですが、泊まりの旅行という体力を使うイベントのため、① 素材集め、② 素材構成、のフェーズでかなり息切れしているのが現状です。

私が旅ブログを始めたきっかけは、① 分野を問わず、文章を書く練習がしたかった、② 旅行時の思い出を振り返る何かが欲しかった、という2つなのでそれらはかなり達成できていると感じます。

文章を書くという心理的ハードルはかなり下がったので、今後は質の向上を目標にこの ③ と ④ のフェーズにも力を入れていきたいと思います。

まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございます。kamimi 流の旅行記事の書き方をふりかえってきました。

旅行記事を書くことで、文章を書く練習をし、技術記事を書くときの心理的ハードルを下げることができました。また書き留めることで目に見える形で旅の思い出を残すことができるようになりました。

旅の仕方も文章の書き方も人それぞれですので、ご自身にあったやり方を見つけられると旅も記事執筆も楽しくなると思います。この章がその際に参考になれば幸いです。

最近投稿した記事

最後に私の旅行記事がまとまっている note のマガジンを紹介します。リンクまたは QR コードから飛んで見てみてください。

note の「旅行記」マガジン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?