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【CA】救急車の利用を有料化すべきか

テーマ:救急車の利用を有料化すべきか
立論者:sakanatoro
ファシリテーター:獺祭


「救急車の利用を有料化すべきか」についてCAを行いました。
救急車の利用に掛かる費用は約4万円と決して安価ではありません。世界的には救急車の利用は有料となる国が一般的であり、日本においても財務省が2015年から有料化を唱えている背景があります。
議論の前に定義を立論者と確認し、今回の論点は「軽傷の場合に限る」こととしました。

立論者は以下の論点を中心に、賛成の立場で議論しました。

①安易な利用の抑制
②医療設備の充実
③人命を更に守ることに繋がる
④医療の担い手不足の解消につながる

立論者は救急車の利用にかかる費用を医療設備や人件費にするなど、財政的な視野からの主張を強めました。また、利用を抑制することにより、優先されるべき重要な治療のみが実施されることで助かる命が増えること、結果的には医療従事者の労働を軽減することにより、限りある医療の資源を守ることを訴えました。

反論者は現在の法律・医療制度に基づくと、医師の担うことが非常に多く有料化を行うことによりむしろ更に医師の仕事が増えるのではないか、との懸念から、最優先すべきは救急車の有料化を実現できている国で実施されている薬局と連携したセルフメディケーションの整備など民間に専門性を持たせる提案や、救急救命士の担う範囲を拡大させる提案がなされました。

無料が当たり前だったことが有料になると利用が抑制される例として、昨今のレジ袋有料化が挙げられますが、「なくてもなんとかなるもの」と「なければ命に直結すること」は大きく異なるため、同一の問題として考える事は難しいです。
また、軽傷かそうでないかは医師でないと判断が難しく、医療は刻一刻を争うことも多いため、結果的に救えた命が救えなくなってしまう、取り返しの付かない自体になる恐れがあります。
しかし、それに甘んじて明らかに不急の治療のために救急車を無料で利用させることは許されるべきではありません。

今回の議論は、利用者それぞれの「良識」にどこまでゆだねても良いのかを非常に考えさせられるテーマでした。

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