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【イベントレポ】KAMIKAWORK café 2023 in 札幌に参加してきました!

地域ならではの取り組みが日々生まれる北海道上川町を中心に活動する人が集まり、新しい「まちづくり」や「働き方」を語るトークイベント「KAMIKAWORK café 2023 in 札幌」に参加してきました。

本記事ではイベントの様子をお届けします!

第1部:これからのひとづくり・まちづくり

登壇したのは上川や札幌を中心に、会社を経営する3名。

株式会社会社大人 代表取締役社長 五十嵐 慎一郎氏
株式会社りんゆう観光 代表取締役社長 植田 拓史氏
株式会社Earth Friends Camp 代表取締役 絹張 蝦夷丸氏



株式会社会社大人 代表取締役社長 五十嵐 慎一郎氏

五十嵐:
植田さんも絹張さんも上川で事業をされていますが、もともと上川出身ではないお二人が上川に移住して、魅力に感じるポイントはどこですか?

絹張:
僕たちは「自分たちが暮らす街を自分たちで面白く」をコンセプトにアウトドア、コミュニティ、まちづくりの3軸で事業を行っています。

上川町の大きな特徴は、生活に必要な店や住まいが密集している超コンパクトシティであること。
子育てもしていますが、学校も徒歩圏内なので安心して一人で歩かせられるし、暮らしやすさが魅力だなと思います。

植田:
私は層雲峡の方で大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイ、リフトの管理や施設管理、旅行事業などを行っています。

やはり、大雪山国立公園や層雲峡温泉などの広大な自然が魅力だと思いますね。

五十嵐:
暮らしやすさと自然の両方があるのがいいですね。
上川町はここ数年でかなり注目度があがっていますが、実際にどんな人が上川町にきていますか?町民の人たちはどんな印象ですか?

絹張:
地域おこし協力隊(KAMIKAWORKプロデューサー)の人が多くいますね。
僕自身も初めはKAMIKAWORKプロデューサーとしてきましたが、上川町役場の人たちとカジュアルに話ができて、この人たちと働きたいと思ったのがきっかけでした。

町の人も、外から来る人を温かく受け入れてくれる印象。
僕が来たときも、こういうことをやりたいと言ったら、すぐに協力者を紹介してもらえたのがすごくありがたかったです。

植松:
私は上川に関わって20️〜30年経つんですが、昔はなかなか受け入れてもらえなくて苦労したという話を聞きます。

役場として外から来る人をどんどん受け入れていこうと方向転換したことで、町民の受け入れ体制も変わったように思いますね。


(右から)株式会社りんゆう観光 代表取締役社長 植田 拓史氏
株式会社Earth Friends Camp 代表取締役 絹張 蝦夷丸氏


五十嵐:
なるほど。町全体が受け入れ体制にシフトしていったんですね。
さっき自然と暮らしが両方魅力という話がでましたが、観光エリアである層雲峡と暮らしのエリアである上川町の市街地が離れていることに対して、なにか課題に感じていることはありますか?

絹張:
人の流れが課題ですね。今は市街地と層雲峡で少し分断されているような感覚があります。

コロナをきっかけに少しずつ両者が関わる機会が増えてきましたが、もっと交流が増えてそれぞれが自分の町のエリアだという実感がもてるようになるといいと思います。

ここ数年で店も4〜5軒増えているので、今進めているANSHINDOプロジェクトを中心に市街地にいきたいと思う理由づけができるといいなと思っています。

植田:
やはり人が重要だと思います。
地場で先駆者になる人がいるから、新しい人も続々と増えていると思います。

町づくりや場づくりをやっている人が少ないからこそ、面白いと感じて来てくれる人が多いと思うので、そうした人を増やしてそれぞれの住民が行き来するようになればいいですね。

五十嵐:
人がキーワードなんですね。お二人がこれからの上川町で変えていきたいことはありますか?

絹張:
やっぱり市街地にたくさん人が来るようにしたいですね。
実際に来てもらわないと紹介できない魅力的な場所がたくさんあるので。

今は市街地に泊まれる場所があまりないのも課題なので、ANSHINDOをはじめ、小さい宿を何軒か増やして泊まれるようにしていきたいです。

植田:
今せっかく外から若い人がきて市街地で活躍しているので、層雲峡でもそういう環境をつくりたいです。

とくに冬場はお昼を食べる場所を探すのも大変な状況なので、市街地の人たちと協力して一緒に盛り上げていきたいですね。


第2部:上川だからこそできるワークスタイル

第2部は、上川で働く人の多様な働き方を深掘りするセッション。ファシリテーターは久保氏、登壇者は地域おこし協力隊として活動する以下3名です。

ソーシャルセクターパートナーすくらむ 代表 久保 匠氏(上川町ソーシャルビジネスアドバイザー)
KAMIKAWORK アカデミックプロデューサー 松井 丈夫氏
KAMIKAWORK クリエイティブプロデューサー 曙 玲奈氏
KAMIKAWORK アウトドアプロデューサー 田崎 充彩氏

久保:
上川町の地域おこし協力隊「KAMIKAWORKプロデューサー」として活動するみなさん。それぞれの活動内容について教えてください!


ソーシャルセクターパートナーすくらむ 代表 久保 匠氏

松井:
私はアカデミックプロデューサーとして活動しています。
もともと理系だったんですが、保育教諭として勤めたのち、自分がやりたい教育をしたいと思って上川町に来ました。

プログラミング×自然教育を、子どもたちと一緒に遊びながら楽しく学ぶ機会をつくっています。

曙:
私は小学校教諭からフリーランスカメラマンへジョブチェンジをして、第二の人生を始めるために上川町へ移住しました。

そのきっかけになったのが「自分を好きになれない人が多すぎる」ことに対しての問題意識。自分を好きになれない理由は社会のせいであり、あなたのせいじゃないということに気づいてほしいという思いがあります。

今は写真を通じて、「あなたは素敵だ」と伝えるスタジオを作りたいと思いカメラマンとして上川町で活動しています。


田崎:
僕は今まで山でゲストハウスの運営などをしながら、町と行き来するような生活をしていたんですが、3ヶ月ほど上川町にプチ移住をしたことを機に町の人と仲良くなり、一昨年からアウトドアプロデューサーとして上川町に移住しました。

今はキャンプ場スタッフやガイドとして活動したり、町のリノベーション現場で大工仕事をしたりしています。

久保:
三者三様の働き方をしていますね。KAMIKAWORKプロデューサーのお仕事をしたい人のなかには、今の自分のスキルで地域の役に立てるか不安な人もいると思いますが、実際に来てみてどうでしょうか?

松井:
スキルよりも大切なのは熱量だと思います。
熱量があれば人を巻き込むことができるので、スキルよりも熱量・モチベーションがあれば大丈夫です!

曙:
私は着任と同時に、小学校教諭からカメラマンにジョブチェンジをしました。

私自身も当時、経験がゼロだったので今の実力で大丈夫なのか不安でしたが、前職で培ったスキルをアピールして、これから写真を通してやりたいことを伝えました。

できるだけ役場の方や上川町の人とつながりをつくることで、みんなが応援してくれるので安心して挑戦してもらえたらと思います。

田崎:
学歴や職歴は関係ないと思います。それよりも、やりたいという思いと熱量がいちばん大切ですね。

僕の場合は、先に滞在していた絹張さんや清水さんなどの仲間がいたので、心強かったです。仲間づくりをしたい人は、色々な人に出会うことも大切だなと感じます。


(左から)松井氏、曙氏、田崎氏

久保:
スキルよりも、熱量がある方はどんどんチャレンジした方がいいということですね!KAMIKAWORKプロデューサーという今の働き方はどうでしょうか?

松井:
私がやりたかったのはただ教えるのではなく、伴走すること。その理想が叶えられているので、今の働き方にはとても満足しています。

上川町の魅力は役場の方のサポートが手厚いので、やりたいという熱量さえあれば理想が叶えやすい環境だと思いますね。

曙:
私の場合はKAMIKAWORKプロデューサーという、地域の方とつながりが作れる肩書きをいただいたのと同時に、フリーランスとしての働き方をはじめたような感じです。

自分にとって新たなチャレンジをしながら、フリーランスの仕事をお試しさせてもらっているような環境なので、とてもありがたいですね。

田崎:
たしかに、フリーランス体験をしているような感覚はありますね。
KAMIKAWORKプロデューサーの仕事を通じて、上川町以外の人とのつながりもでき、イベント企画などもやれるようになったのは良かったことだなと思います。

今は自分のあとに続く後輩にかっこ悪いところを見せないように頑張っていかなきゃという気持ちで、働いていますね。


久保:
それぞれが理想の働き方にむけて取り組んでいるんですね。
今後は上川町に対してどんなことをしていきたいと思っていますか?


上川町は「やりたいことを叶えられる場所」と話す松井氏

松井:
僕は公教育を交えて、楽しく学べることを伝えていきたいです。
個人的には上川町だけでなく、隣町までも巻き込んで盛り上げていきたいと思っています。

そのためには、子供よりも大人がいちばん楽しむことが大切なので、楽しんでいる大人がいることを自分自身で体現して、見せていきたいですね。

曙:
上川町では写真撮影の需要がほぼないことが課題だと思っています。

需要がないことはカメラマンとしてはネックになるんですが、町民の方と仲良くなることで、最近は写真を撮ってほしいと言われることが増えたのでとても嬉しいです。

これからは写真を通して、お客さんに幸せを提供していきたいと思っています。
それからカメラマンとして自分自身を磨いて、上川町の外から人を呼んでこれるような存在にもなりたいですね。

田崎:
僕は上川町の空き家問題の解決に取り組みたいと思っています。

今、町内には不動産屋がなくて空き家の情報がどこにもまとまっていません。
また空き家をどうしたらいいか分からなくて、放置してしまう人が多いことに課題を感じています。

なので地域おこし協力隊としての任期を終えたら、独立して古家具や古材の買取を行ったり、空き家を次の活用者へつなぐ事業の立ち上げを考えています。

いずれは服を買ったり、気軽に遊びに行けたりするようなスポットも作っていけたらいいですね。


上川のキーパーソンたちに話を聞ける本イベント。
会場ではKAMIKAWORKフードプロデューサーとして活動する、曙 賢司氏が焙煎したコーヒーも振る舞われました。


焙煎士として活動する傍ら、子どもにダンスを教える活動もしているそう

トークセッション終了後は、登壇者や参加者との交流会が行われ、活発に交流する様子がうかがえました。

様々な形でやりたいことを実現できる町「KAMIKAWA」。

つねに新たな取り組みが生まれている上川町が、これからどう変化していくのか、今後の動きに注目です!

イベント参加者全員で集合写真を


かみかわKICHATTA制作メンバー
writer:すず(note / X
photographer:くみ(Instagram


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上川町役場HP

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