歴史としての二十世紀

二度の大戦や冷戦、世界的恐慌、世界の米国化、大衆化、グローバル化を経験した20世紀について、戦後随一の国際政治学者が語った連続講演を収録した本。WW1とWW2の政治家の性質の比較や生存競争(当時流行していたダーウィニズム)としての国家間戦争の観点が興味深かった。保守派の論客である高坂氏だが、共産主義の建設的な役割を認めつつソ連による農業の集団化が中世以来の農奴制と変わらないなどの問題点を指摘しているように思う。ウクライナ戦争やパレスチナ問題が現在進行形である中、まったく古びない内容。

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