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何度も足を運びたい街 前編

去る8月9〜15日北海道の道東・道北地方へ旅に出た。
ぼくは2016年以来、日本各地を旅行することを趣味にしている。その中で何度も足を運びたいと思った街もあるので、ざっと紹介したい。何度も足を運びたいというのは、純粋に楽しい時間を過ごしたからまた行きたい、という意味と、時間等の関係で寄れなかった場所があるという意味を兼ねる。

紹介するのは時系列的に寄った順で、基本的に三大都市圏を除く。

後編はこちら


茨城県大洗町

2016年秋来訪。思えば前の年まで長らく金のないフリーター生活を送っていた反動からか、この頃から日本各地を旅することを意識するようになったと思う。というわけでその第一弾が大洗町。県庁所在地の水戸市に隣接する港町にして観光地。ご存知「ガールズ&パンツァー」の聖地。
主にガルパン目当てだったけど、風光明媚で魅力的なリゾート地であるということがわかったのが、大きな収穫だった。立派な水族館もあったし。

いきなり大洗女子のあんこうチームがお出迎え
初日の出の時などの絶景で有名な神磯の鳥居
ちょうどダージリン様の誕生日でした

千葉県銚子市

2017年夏来訪。千葉県および関東地方最東端の港町。
関東にありながら過疎化著しい街だが、ぬれ煎餅の製造販売などの経営努力で電車を走らせる銚子電鉄の経営努力や、初日の出の時の犬吠埼への観光客の多さなど活気は窺える。建物といい街並みといい鉄道といい、レトロで鄙びた雰囲気が漂う魅力的な街なので、個性を生かして活性化してほしいところ。

タイムスリップした感を漂わせる銚子電鉄の終点・外川駅
関東最東端の犬吠埼灯台と白い郵便ポスト
今は亡き平成レトロ・犬吠埼マリンパーク

広島県呉市

2017年秋来訪。戦艦大和の建造でも知られる海軍基地と造船の街。
お目当ては前々から訪問したかった大和ミュージアムこと呉市海事科学館。戦艦大和に関する展示の他、海軍に関する文書や写真、艦旗、制服といった文物の展示が非常に充実していた。造船と海軍の街として発展した呉市の歴史のあゆみや、沈没した大和の調査の特別展も印象的だった。

1/10戦艦大和模型。それでも全長27mほどはあるサイズ感
潜水艦あきしお。潜水艦は小さいと思っていたが(艦これ知識)、割と大きかった

石川県金沢市

2018年春来訪。加賀百万石のお膝元にして石川県の県庁所在地。北陸新幹線の開通によりグッと身近になった北陸地方の中心的都市のひとつ。
金沢市は北陸新幹線で東京駅から乗り換えなしで行けることに加え、兼六園や金沢城、ひがし茶屋街といった観光スポットが金沢駅からほど近い市内の中心部に集中している。というわけで都内からのアクセス、市内の観光の容易さ、海の幸を中心に絶品なグルメなど、旅の初心者から上級者までおススメできる街である。

金沢駅の名を世に知らしめた鼓門
金沢グルメの代表格、金沢おでんの車麩と赤巻き
宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望の六勝を兼ねる兼六園

福井県坂井市

2018年春来訪。合併によって市域が拡大し、福井県第二の都市となった県北の港町。金沢を拠点に北陸本線に揺られて1時間半ほどかけて芦原温泉駅で下車して向かった。
有名なのは奇岩が織りなす東尋坊と、現存十二天守閣を擁する丸岡城か。前者は海沿い、後者は内陸寄りの場所にあり、同市内ながら20kmほど離れているが両方とも訪れる価値は十二分にあった。

柱状節理が見事な東尋坊
1576年築城され、当時の建材が今も残る丸岡城天守閣

長野県松本市

2019年夏来訪。県内では長野市に次ぐ規模を誇る信州の城下町。東京駅や新宿駅特急あずさで向かうのがセオリーだろうが、この時は青春18きっぷを利用し、中央本線で向かった。松本城天守閣と旧開智学校、2つの国宝建築を擁する歴史ある街。
石川数正・康長親子以来の松本城天守閣は言うまでもなく見事だったが、開智学校も遜色なかった。和洋折衷の擬洋風建築だが、玄関の龍のレリーフやバルコニーの装飾は中華風であり、事実上の和洋中折衷というのが興味深い。

ぼくが国内で一番好きなのが松本城
くるみそば、馬刺し、日本酒(地酒)の三位一体
2019年国宝に指定された旧開智学校(明治時代に建築された小学校)

栃木県栃木市

2019年末来訪。市名が県名と同じだが県庁所在地ではない栃木県の県南の都市。埼玉県川越市、千葉県佐原市(現:香取市)と肩を並べる関東の蔵の街として有名な街。蔵の街は川を挟んだ場所に位置し、渡し舟にも乗れる。
名物のじゃがいも入り焼きそばは素朴な味で値段の割にボリューミーで、何度でも食べたくなる懐かしい味。今度はいもフライも一緒に。

巴波川(うずまがわ)を挟んだ蔵の街
巴波川には鴨がいっぱい
栃木市が誇るB級グルメ・じゃがいも入り焼きそば

長崎県長崎市

2020年夏来訪。明や清といった中国王朝、そしてポルトガルやオランダとの交易で知られた歴史ある国際港湾都市。長崎湾を中心とし、周縁に向かうにつれ標高が上がる擂鉢状の独特な地形でも知られる。
長崎新地中華街や大浦天主堂など、主要なスポットには寄れたものの、この旅行ではグラバー園内の邸宅が改修中で見学できなかったこと、コロナ禍による入場規制により出島に入場できなかったこと、孔子廟の存在を知らず寄れなかったことなど近いうちにリベンジしたい。

日本三大中華街のうち最小・長崎新地中華街
原爆を生き残った幕末期のカトリック教会・大浦天主堂
長崎原爆史料館。「長崎を最後の被爆地にしたい」という広島平和記念資料館とはまた異なるメッセージが心に響いた

青森県弘前市

2020年秋来訪。国内1/4の生産量を誇るリンゴや岩木山、弘前公園の弘前城や桜で知られる青森県の都市。
多彩な魅力を持つ街だが、思った以上に目を引いたのが青森銀行記念館、旧弘前市立図書館をはじめとした近代建築の数々。その多くが建物内を含めて公開されていたり、すでになくなったものも含め近代建築のミニチュアを展示していたりと、市も市内に数多く点在する近代建築を活かした町おこしを行っていることに感銘を受けた。

近代建築のミニチュア展示がかわいい
弘前の"H"を意識した(?)旧弘前市立図書館
この日の昼食は弘前大学のキャンパスに隣接する旧制弘前高等学校外国人教師館を改装した弘大カフェで

秋田県仙北市

2020年秋来訪。みちのくの小京都と呼ばれる角館や田沢湖といった観光資源を有する秋田県内陸部の都市。
江戸時代初期に常陸佐竹氏が秋田に転封され、その支族の佐竹北家が治めた角館の街は、400年前と同じ道幅を保つ武家屋敷通りと各家屋が見所。家屋の保存状態がよく、江戸時代の武具や生活用品から、蓄音器や戦前のレコードまで博物館並みに豊富な歴代当主の所蔵品を有料で一般公開している家や、今でも武家のその子孫が居住している家もあり、見どころがいっぱいだった。

紅葉は見頃を過ぎていたけど、葉っぱが残っている木もあった
今でも武家の子孫が居住している茅葺屋根の屋敷
新潮社創業者の佐藤義亮が角館出身であることに因んで新潮社記念文学館が存在する


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