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一昔前は社内SEが人気だった?!

 一昔(十数年前)、実家の近くで社内SEをしていたことがありました。

当時、社内SEはIT技術者のゴールの一つだった


 当時は、(正規雇用の)有効求人倍率が1を切っていたり、新卒の就職希望者の何割かは就職しなかった(絶対的なパイ不足)というような時代でした。にもかかわらず、当時のITエンジニアといえば、どちらかといえば不人気な職種でした。理由は以下のような感じです。

 

雇用が不安定なイメージ

 当時のITエンジニアといえば、プロジェクトごとに現場に出向し、終わったら解散し別の案件へ…というクライアントワーク型というイメージがありました。
  

「若いころ限定の職種」というイメージが強かった

 
 当時は、「SE35歳限界説」という者がありました。そのくらいの年になるとこの仕事ができなくなる。という話です。
 これは残業や徹夜などが多かったりしたので、そのくらいの年になるとしんどくなる。ということが実情でした。

 

自社サービス開発なども、今ほどは人気ではなかった

 当時、スマートフォンが上陸したとかTwitter(当時)が上陸したとかいう頃。まだ「なんだかよく分からない、胡散臭い分野」というイメージはありました。

リスクやコストの最小化が望ましかった

 当時といえばリーマンショック後の不況期で、どこの会社もあまり羽振りが良くありませんでした。

 ミクロ経済主体、つまり個々人や各企業などとしては「失業しない(収入が途絶えない)事」「生活にかかるコストを抑えることが大事」という情勢でした。
 そんな中、当時勤めていた会社は実家から近く、家族と同居した状態で通勤しやすいことを考えても当時の私にとっては魅力的でした。
 生活費の分担を入れても、一人暮らしにかかる負担と比較すれば月10万円ほど手残りが増える計算。
 手取り収入が月25万円程度だった私には大きなものでした。

 なお、現在からは想像し難いことですが当時は公務員や教員の求人倍率が偉い事になっていました。数少ない席に大勢の希望者が殺到していました。

ただし、以下のような課題も

 ただし、会社にもよりますがITエンジニアのキャリアとしては硬直しがちになります。

 ガラパゴス化の罠

 まず、そこの会社が使っている要素技術に固定されがちです。これはSESや受託開発などのクライアントワークに置き換えると、同一案件に長期間関わっているようなものなので「それしか知らなくなる」ことになります。
 ※この辺は自社サSES戦争でも取り上げられがち。

 ただこれが、他の会社でも応用が効くものであればよいですが…独自の進化を遂げてガラパゴス化しているケースも多いです。

 (私が勤めていた会社の基幹システムも、当初は最先端だったんだろうけど・・・という感じでした)
 

 人間関係の硬直化

 当時は、社内でのキャリアパスとしては「王道から外れた」部分になります。故に人間関係も部署内の影響を受けやすくなります。その中での人間関係が良好ならばよいのですが…。往々にして閉鎖的な環境だと息苦しくなりがちです。

 給与・待遇はそこの会社ベースになる

 当時でも「社内SEになると給与が下がる」と言われていました。残業代が減るとかコストセンターなので仕方ないとか諸説ありますが。

 ITやDXが競争力の源泉と考えている会社でもない限り、「各会社のバックオフィスが基準になる」という感じです。

なりにくく辞めにくいものと思っていただければと

 オチは、(直接雇用での)社内SEにはなりにくいが、辞めにくい。という感じです。その会社の一員であることが出来ればありですが。


 

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