つい落ち込んでしまう時の対処法
私は時々、医師のもとで漢方薬を処方してもらっている。漢方薬の興味深いところは、その人の症状だけでなく、体質や性格も考慮した上で処方する漢方薬を選ぶところだ。
たとえば、風邪を引いて落ち込む人と落ち込まない人とでは、処方する漢方薬が違うのだと聞いたことがある。
この場合、私は確実に前者である。「風邪を引いてしまった」という事実に落ち込み、「喉の痛みや咳などの症状がつらい」と落ち込み、「いつまでこの症状が続くのか」と不安になって落ち込んでしまう。
一方、風邪を引いても落ち込まない人もいる。「ああ風邪だ」と思うだけで、症状もつらいことはつらいが落ち込むわけではなく、いちいち先のことまで憂うこともない。
どちらが精神衛生上よいかといえば、明らかに後者だと思う。私は風邪に限らず、落ち込まなくてもよいような場面でつい落ち込んでしまうことがある。どうすれば落ち込まない性格になれるのだろうか。
最近、そんな悩みの解決方法を見つけた。やり方は次の通りだ。
1.その日の出来事と、自分が感じたことを書く
2.自分が感じたことと矛盾していることを見つけて書く
3.1と2からバランスのよい考え方を導き出して書く
これは自分の「考え方の癖」を客観的に見て、他の考え方もあるのだということに気づき、マイナス思考をプラス思考に転換していくものだ。
落ち込んでいる時やマイナス思考に陥っている時は、極端に偏った考え方をしていることが多い。「〇〇なはずだ」「〇〇だったらどうしよう」など、余計な思い込みをしていないか、自分を俯瞰的に見つめることは大切だ。
性格はそう簡単に変えられるものではないが、少しずつ考え方を変え、行動に移していくことならできそうだ。
私は「いま落ち込んでいるな」「マイナス思考のループにハマっているな」と思ったら、上記の1から3を毎日書き出してみる。
何らかの症状があれば、漢方薬の力を借りることもある。たとえば体が冷えてつらい時は、医師に相談して「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」などを処方してもらっている。
すべてを自分の力だけで解決しようとしなくても、漢方薬のように、頼れるものがあるのなら頼ってもいい。これも私にとって、バランスのとれた考え方なのである。
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