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私がコピックを使う理由〜漫画原稿の実例とともに〜

もと教習所の先生・三上です。
アナログ技法で交通法規の漫画を描いています。

着彩にはコピックチャオという油性ペンを使用しています。

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コピックはアルコールベースのマーカーです。

いつもお世話になっている梅熊大介先生に、諸事情(後述)で余ったコピックを差し上げたところ、ありがたいことにお礼の記事を書いていただきました。

そこで知ったことは、
「コピックって世間一般にはコスト高な画材と思われているんだな」
という事実でした。

確かに安くはない。
私の持っているコピックチャオは廉価版ですが(インクの中身は他のコピックファミリーと同じ)、揃える時は清水の舞台から落ちる気持ちでした、震えた

が、敢えて言いたい!
私は買ってよかったぞ!!

水彩やリキテックス等の絵具使っていた頃より、カラーを仕上げる頻度が上がったぞ(注:絵具が嫌いなわけではない、むしろ好きだ)!!

カラーでアナログ漫画(扉じゃなくて本文)を描くとき、最高だぞ!!

▲よろしかったらこちらも参照のこと。

というわけで、デジタル最盛の時代に逆らう記事を、「コピック愛」だけで書きます。

デジタルの方が効率的だし、コピックが高いのは十分承知です。
あくまでコピックの利点を、私の自分勝手な主観で語る記事です。
すでにうざい文章ですが、本論ではもっと厨二病です。メンゴ。

(1)コピックの作画上の利点

カラーイラストと違い、漫画の本文は、原稿を複数枚仕上げる必要があります。
漫画の作業において、コピックの以下の特性は非常に有利なんです。

・ペンなので比較的細かい描写が楽にできる
・インクが乾きが早い
コピートナーを溶かさない

実例とともに解説いたします。
コピックで仕上げた漫画がこちらです。

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この絵を使った記事はこちら。

(2)コピックの利点1:比較的細かい描写が楽

漫画の原稿って、見ていただければわかるんですが、1コマ1コマが独立した一つの絵です。
そして、結構面積が小さい。

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この画像の左上の4コマは、一つあたりが約4センチ四方です。

この小さい画面を塗るとき、水彩やカラーインクですと、
・相応の道具(細かい筆)
・計画性(色を置く順番)
・集中力
の3つが要求されます。

水彩やカラーインクですと、例えば隣のコマ等の着彩中に、未乾燥の塗布した絵具面にうっかり触れてしまい、原稿が汚れるなんて惨事も起こりかねません……(単に私が下手なだけ)!

しかし、コピックはペンなので、細やかなコマも塗りやすいです。
水彩等ですと細かい筆を揃える手間がありますが、コピックはブラシニブという筆状のペン先のおかげで、一本である程度細かいコマもカバーできます。

(3)コピックの利点2:インクの乾きが早い

さらに、コピックは油性ペン。
インクの速乾性は、水彩絵具等の比ではない……ッ!!
塗った直後に触っても擦れるなんてことはないし、私みたいなズボラで不器用な人間には非常に安心できる画材なのだ……!

この乾きが早いという性質は、細かいコマを塗りやすいということにもつながりますし、次の作業へも進みやすいということでもあります。

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1コマ目の風景は重ね塗りが容易だからできた表現です。

(4)コピックの利点3:コピートナーを溶かさない

コピックはコピートナーを溶かさないのも魅力。
この漫画の原稿、出だしはこうです。

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右が漫画原稿用紙に描いた下書き。
見づらいですが、立ち切り線や枠線等の補助線が水色で引いてあります。
使う理由は簡単、枠線を引くときに細かいことを考えないで済むから。

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ペン入れを終わったところです。
左下、窓を開けている猫の顔が光っていますね、これはホワイト(修正液)の跡です。

私はペン入れした後、はみ出した線などをホワイトで消したりします。
このままコピックで着彩に入ると、紙に塗った色と、ホワイトの上に塗った色が相違し、ホワイトで修正した箇所がモロバレです。

また、漫画原稿用紙の補助線は、カラー印刷では読み込まれてしまいます。

そこで、コンビニへ行ってコピー機にかけ、本番用の新しい紙に原稿を複写するわけです。
漫画原稿用紙の補助線もこれで消えます。

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そして、コピックはコピートナーを溶かさない性質が売り。
万が一コピックを塗ると溶けるようなインクで線を描いた原稿も、コピーさえすれば綺麗に着彩が可能になります。

(5)コピックには補充インクがある

それから、コピックを使っている大きな理由の一つに、補充インクの存在があります。
意外と知られていないようで……

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左がかつてのバリオスインク、右が今春デビューのコピックインク
コピックインクの容量はバリオスインクの半分、でもお値段据え置き、実質の値上げです……

が、コピックインクですら、価格はコピックチャオ1本とほとんど同じ。
これでチャオなら9回程度はフル補充できます。
ペン先も交換できます。

確かに水彩に比べたらコストはかかりますが、一度買えば長く使えるのです。
使う色なんてほとんど固定化されてきますし、もう一本新しい色を買うつもりでコピックインクを買えば、目がひん剥くほどのランニングコストにはならない、多分。

ちなみに、梅熊先生に余ったペンを差し上げた経緯はこんな感じ。

1.コピックチャオ本体から、漫画で使う色のインクが無くなった。
2.その時期にコピックインクの供給不足が発生、欲しい色が買えなかった。
3.しかし漫画を描くのに色が必要、新品のチャオを購入した。
4.クリスマス商戦に向けコピックインクの品薄が解消、インクを購入し、古いチャオ本体にインクを補充した。

梅熊先生には、3.で買った時の本体に、インクを補充してお渡ししました。
先生がちょうどコピックに興味を持たれていて、普段からお世話になってたこともあり、差し上げた次第です。
私も同じ色が複数あると管理が大変だったので、助かりました。

まとめ

というわけで、コピック最高だぜ!
というお話でした。

え? 結局高いのは変わらない?

うるさーい、これでもくらえっ!!

いいですか!
人は、作業を始める準備に時間がかかると!!
作業に入る回数そのものが減りがちなんです!!!
20秒作業の開始時間が早まるだけで、習慣化も容易いのです!!!!

▲突如「結婚物語。」の仲人Tさん風になる私。彼女みたいなオタになりたい。

私がコピックを使っているのは、「アナログが好き」「コピック使いの好きな作家さんがたくさんいるから憧れだった」のもありますが、

すぐ描ける=描く枚数が増える=絵が上手になりやすい

という、好循環への投資なのです!!
そして実際、私はコピックを使ってから絵を描く回数がかなり増えました。
漫画と絵、今年は近年ない枚数を仕上ています(去年なんて、完成したカラーイラスト1枚も描いていない)。

とか言いつつ、今年までコピックチャオ72色A・Bセット買っても5年寝かしてしてましたが……仕事の拘束時間や諸事情がイッパイアッテナ)、それでも再び絵を描き始めたら、コピック大活躍やん!!
36色Eセットに至っては今年買い足したぐらいだ!!

絵を描いているのはnoteのおかげでもあります。
閲覧やスキを頂いた方や、温かいコメントを書いてくださる方のおかげです!!
そして、コピックのおかげで、「記事にする絵描くのが面倒くせぇ」がほとんどないんです。

それに、そもそも趣味なら好きな画材で絵を描きたいんじゃー!!

というわけで、あくまで三上にとってメリットだと語るうざい記事でございました。
お粗末様でしたm(_ _)m

結論:高いけど(笑)、コピックはそれに見合う画材だ。

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