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園内勉強会「わたしたちのナラティブツリー」 01

上町しぜんの国保育園の宮本です。

今年度も、上町園内勉強会が始まりました。

今年は、上町で取り組んでいる「ナラティブツリー」(エピソード記述を書き、読み合う試み)をテーマに年間5回行います。

第1回園内勉強会は「子どもと出会う瞬間」というテーマで行いました。

 ナラティブツリーとは、上町しぜんの国保育園で日々重ねているエピソード記述の取り組みです。
私達はエピソード記述を「一人ひとりの語り」という意味を込めてナラティブと呼び、 そのナラティブが連なって木のようになっていく様に重ねて「ナラティブツリー」と呼んでいます。

 上町はナラティブを保育の真ん中に置いています。心が動いたとき、楽しかったとき、悩んだとき、私達は自分の振り返りや同僚に読んでもらいたいとナラティブを書きます。

◎内容
保育は基本大変。
言葉にして書くときは1人。こうしたらよかったなぁという内省が濃くなる。ナラティブの生の声を、誰かが受け止めてくれる。それがケアになるときと、自家中毒になるときがある。人のナラティブを見るまたは読むことで、中毒になるのを防げるのでは無いのか。

①亀山さんのナラティブ
園庭でYくんと出ている時、Yくんに「保育園たのしい?」と聞かれる。「楽しいよ!」と答え、Yくんに「保育園楽しい?」と聞くのを迷った。迷いながらも聞いてみると、「すごくたのしい!」との返答。自分自身が勝手にYくんの気持ちをマイナスに捉えていたことに気づいた。
楽しいか?と聞かれてからの返答がとても悩んだ。
物事をもしかしてこうなのではとネガティブに捉えてしまうのは自分にもある。言おうか迷うのもわかる。自分はその時の雰囲気と人によって、聞かないこともあるかも。Yくん自身、保育園がすごく好きだからそう思って欲しかった?だからこそ亀山さんが楽しいと思っていたら嬉しくて気になったのかもしれない。

②小笠原さんのナラティブ
5歳児の散歩。1番目の関係を混ぜたいいとがあり、「今日はいこう!」と誘う。散歩が出てすぐ、Yが走って園の方へ戻ってしまう。亀山が追いかける。しばらくすると亀山から電話がかかってきて、Tに嫌なことをされて怒っていて、保育園に戻ると言っている。TにYと何かあったか聞いてみても、知らないという。みんなで迎えに行き、YとTの2人の話を聞いたあと再び緑地に行くことになった。行く途中でYが「Tは、大人に怒られたくなくて嘘をついたんだと思う」と言う。そのあとYとTは普通に話したり遊んでいたりしていた。喧嘩以外にも色々あった散歩。
Yの、大人に怒られたくなくて嘘をついた言葉について。Yは大人に喧嘩すると、怒られると子どもが思われているのではないか。それは保育としていいのか?
ごちゃごちゃしているその時を楽しむ、という考えはとても柔軟で、今回のような場面で自分も楽しんでしまう考えは素晴らしいと思った。なかなかできないことのように思えるが、このような心の広さを持ちながら、やっていきたいと感じた。

③小笠原さんのナラティブを受けての亀山さんのナラティブ
小笠原が書いたことによって、違う視点のナラティブが出てくる。
どうしようかと悩んで、携帯番号をメンバー表に書いていたことを思い出し、電話をかける亀山さんの柔軟な思考。
Yは自分でも気持ちがぐちゃぐちゃになって、どうすればいいか分からなくなったのだろう。どうしようもなくて、走り出すことで代わりに気持ちを吐き出そうともしていたのだろうか。亀山さんがYを囲むようにして話していたのも、気持ちを落ち着かせるきっかけになったように思う。

◎最後に
 今回のナラティブを受けて、テーブルトークの際に各園で散歩はどうしている?という話が出て、普段どのように過ごしているのかを聞く機会もあり、新しい発見があった。また、ナラティブを朗読するということで、普段自分が読んでいる時よりも話が入ってくるのように感じた。普段読んでいる時は抑揚などがないが声に出すことで抑揚が出るためか、初めて読んだ時と受けた印象も変わったように思えた。

◎次回予告
第2回は、【0から5歳の異年齢保育ってどうよ?】というテーマで、ナラティブを読んでいきます。
7/19(金)でオンラインでの実施になります。

次回もお楽しみに!

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