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思考系YouTuberになりたくて

はじめまして、かみです。

誰だおまえ、ごもっとも。
関西で建築系(広義)の学生をやりながら、本屋で働いている者です。
こう書くとまるで本屋が本業の様に感じられますね。これについてはまた後日語るとして、実際のところ、1日の大半は考え事をしている、まさしくモラトリアムな学生といったものが実態です。とはいえそうしてばかりもいられないのが現実なのですが、そちらもそちらで後日語るとして。

考え事というものは、いくらやっても尽きません。しかし同時に、いくらやっても基本的には孤独です。そもそも何をどう考えるのか、指標も正解もなければ導いてくれる人もいません。
そこでヒントをくれるのが、己の知識。逆に言えば、知識なくして知性なし。どうでも良いような知識も、何かの土台になっているはず。

そこで筆者は思いました。YouTuberになりたい。このままだと将来黒歴史コースか、博多華丸・大吉さんの漫才が始まりそうです。
順に説明しますと、まず、考え事という行為を、楽しむものとして提供したいというのが土台にあります。その上に、学校で勉強するような知識、あるいはどうでも良いような知識が「考え事を楽しむ」ことにいかに役立つか、ということをお伝えしたいという理想があります。それらに加えて、頭の中をいろいろがちゃがちゃとひっくるめて考えたところ、結局は手軽な動画、YouTubeに落ち着く、というわけです。

さあYouTuberになるぞ!

(ここまでとても長い前書き)

まずは動画を撮るところから始めることにしましょう。今の時代、スマートフォン1台でも動画は撮れますから、なんとかなるでしょう。
さあ、録画ボタンを押して……。

問題その1. 撮る場所がない

録画ボタンを押そうとした筆者の指はぴたりと止まりました。
はて、いま自分がいるところは写して大丈夫だったか?
周りを見るまでもなく、ここは自宅。すぐそこに姉はいるし、エアコンはおろか洗濯機の稼働音が聞こえてきます。

そういえば、筆者は一人暮らしをしていないタイプの学生でした。

これはいけません。場所を変えましょう。
しかし、外は安全ではありません。住宅地ではあまり声を出せないし、かといって都会に出ると人が多すぎて動画どころではなくなってしまいます。

しかし、こんなところで諦めるわけにはいきません。筆者は妙案を思い付きました。
場所がないなら、作れば良いじゃない!
もちろん、物理専攻でもなんでもないので、空間を作ることはできません。結論は簡単です。撮影に使える部屋を借りれば良いのです。幸い、レンタルスペースなるところがあるのは知っていますし、賃貸を契約する手もあります(学生が1人で借りられるかはともかく)。

さあ場所の問題は解決した、ように思われたのですが……。

問題その2.お金がない

世知辛いもので、基本的に世の中はお金がなければ立ち行かないようになっています。すなわち、場所を借りるにもお金がかかるのです。その辺の大学生である筆者には、気が向いたときにふらっと部屋を借りられるほどの資金力はなく、賃貸を借りるなどもってのほかです。これは困りました。

しかし、やはりこんなところで諦めるわけにはいきません。どうにかするために情報を集めてみました。
インターネットでぽちぽちとリサーチをしたところ、どうやらレンタルスペースの相場は安くて1時間1000円前後、維持管理費と合わせて2000円強のようです。大きく見積もって1時間2800円ほどだと仮定すると、月2回、3時間ずつ借りたとして2800×3×2で月16800円。うーむ、頑張れば出せそう。

計画的に撮影できれば、そして他のものをある程度我慢すれば、なんとかなりそうな気がしてきました。これで場所問題は解決です。

問題その3.道具がない

ところで、スマホをカメラにすることに決めた筆者でしたが、大事なことを見落としていることに気がつきました。それは、どうやって撮るのか、ということです。

自撮りのように手で持って喋る、という手法があまり良いものではないことは想像に難くありません。そもそも自撮りなどほとんどしたことがありませんから、やれと言われてもやり方がわからない、というのが実際です。自撮り棒なるものの存在は知っていますが、手にしたこともなければ仕組みすらわかっていません。

これは何かしらの手段でカメラを固定しての撮影が堅実でしょう。思いつくものといえば三脚ですが、そんなものもちろん持っていません。
しかし、筆者には既に素晴らしい案が浮かんでいました。何を隠そう、譜面台です。

どのご家庭にでもあるあの譜面台を使えば、簡単にカメラを好きな位置に置くことができます。この問題は悩むまでもなく解決しました。

今度こそ、撮影開始です。

問題その4.技術がない

とりあえず動画を撮るというところまでは来たものの、カメラの心得は初心者向けの写真撮影入門書の1冊分程度。しかも、最後に読んだのは恐らく中学生に上がる頃であり、当時の自分のことですから、読んでできる気にだけなって、何ひとつ身についていないに違いありません。つまり、技術はほぼゼロです。

仮に、奇跡的に素晴らしいものが撮れたとして、編集ができるとも思えません。やったことのある編集といえば、別々に撮った映像を4分割した画面に同時に表示させる程度の、もはやただのコピー・アンド・ペースト作業と読んで差し支えのない程度のものだけです。こちらの技術もゼロです。

しかし、この技術の問題は、さして重要ではないような気がします。なぜなら、学べば済むからです。インターネットや本を利用すれば問題なく知識は付くでしょうし、やっていくうちに感覚も備わっていくでしょう。テレビや動画を見て研究すれば、より学習が進みそうです。

ここで唯一の問題点を挙げるとすると、本をずっと手元に置いておこうとするとお金がかかり、また、技術からの要求で道具を揃えようとすると、こちらもお金がかかるということです。それでも安いような気はしますが、筆者は資金力がねずみ以下のしがない学生(ねずみ以下、というのは果たして資金力があるのかないのか。ねずみの生命力のあるイメージからするとあるようにも感じられますが、実際のところ筆者にはお金が大してありません)。どんどんお金が必要となると辛いものがあります。

問題その5.寂しい

さあ全ての準備は整いました。これで筆者もYouTuberになれるでしょう。しかし、どうにも落ち着きません。
動画内容を考えるのも1人、撮影も1人、編集も1人……。全て「1人でできるもん!」状態ですが、そもそもに立ち返ってみると、孤独になりがちな考え事を手助けし、その魅力を伝えたいがために動画を撮ろうと思い立ったはずです。果たして、撮影している側が孤独とはこれいかに。

そもそも、仲間が多いというのは利点だらけです。知識や意見の偏りは減らせますし、資金的・時間的・技術的負担を分散させることができます。何より、活発な議論を元に考え事は捗り、動画コンテンツの充足にもつながります。
そして、1人だと、ちょっぴり不安で、ちょっぴり寂しい。

筆者は数人の仲間を集めることにしました。したはずでした。

問題その6.友人が少ない

筆者は、1日の大半は考え事をしています。コミュニケーションを取るより先に考え事をしています。もちろん、学校やバイト先では必要なコミュニケーションをとる努力はしていますが、友人が多い方ではありません。むしろ少ない方です。さらに言うと、友人からも「こいつはだいたいなんだかよくわからないことを考えている」と思われている節があります。

YouTubeやってみない?
そんな風に誘える相手など、ほぼいないに等しいのです。

ここで筆者の心は完全に折れました。たとえ1人でもYouTuberをやってやる!と意気込んでいたつもりが、友人が少なく、一般の大学生より少し孤独であるという事実に打ちのめされ、さっさと寝てしまいたい気分です。そんな意志薄弱たる自分にもうんざりしてきました。これ以上考えると、後ろ向きな気持ちに思考が負けてしまうでしょう。

考え事をしていると、しばしば悲しい気持ちになることがあります。そういうときは、さっさと考えるのをやめ、忘れてしまうことが吉であるとよく言われます。しかし、理解はしていても実行が難しいことは誰にでもあり、筆者にとっては、考え事をやめる、ということがまさにそれなのです。ちょっぴり後ろ向きな気持ちを抱えながら、なんとか別の考え事にシフトするしかありません。そうして流れる思考の中で、徐々に忘れてはふと思い出し、また考えて、を繰り返して、毎日が過ぎていくのです。

因みに、ゆったりとではありますが、一緒に考えて作業しつつ、動画業界に参入していく仲間は探し続けております。何かの巡り合わせで、この文章を見て共にやりたいという方がいらっしゃったら、まさしく僥倖といえるでしょう。
それまでは、ひとまずこの場でゆるりと文章を公開する「noter」になろうかと思います。

今回の考え事はこの辺で。失礼いたします。

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