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【3分アニメレビュー】かがみの孤城

あらすじ

中学生のこころは、学校に居場所がなく部屋に閉じこもっている。ある日部屋の鏡が光りだし、こころは別世界へ吸い込まれる。おとぎ話のようなお城には、見知らぬ中学生6人が集められており、狼の仮面を被った少女がこころたちにあることを告げるのだった。

(引用:映画ナタリー)

ポイント1 散りばめられたパズルのピース

本作の魅力の一つとして”謎多き設定”が挙げられる。「光る鏡」、「謎の城」、「7人が集められた理由」、「狼の仮面を被った少女の正体」など、様々な謎があるわけだが、それが後半に怒涛の勢いで明らかになっていく。序盤からヒントのようなものが出てくるので、割と早い段階で謎がわかる方もいるかもの知れない。ただ、想像していた物以上の演出で見せてくるので、謎がわかっていても涙を流してしまった。

画像引用:かがみの孤城公式サイト

ポイント2 それぞれのキャラクターの魅力

本作には7人の選ばれし子と、狼の仮面を被った少女が出てくる。彼らはなぜ選ばれたのか、物語が進むにつれ明らかになっていく。物語の大きな転機を迎える部分で7人のうちの一人がかなりヘイトのたまることをする。本当だったら「なんて無責任な!!」、「自分勝手すぎる!!」という感想が出るところを、そのキャラのこれまでの行動や過去、それ以降の展開からうまくヘイトがたまらないようにしている。その子以外にもうまい具合の掘り下げがされていることから、それぞれのキャラに愛着が湧いた。また、かがみの孤城の中にいる8人の登場人物以外にも愛せるキャラクターがいることも、物語が進むにつれてかなり重要なポイントとなった。本作を見る際は、一人一人の言動に注目をしてみてほしい。

ポイント3 メッセージ性

本作にはとんでもないメッセージが詰まっている。物語の一部には目をそむけたくなるようないじめのシーンもあれば、思春期の子ならではの共感するようなシーンもある。そのようなシーンを含めたうえで原作者及び監督はこの物語を通して何を伝えたいのか、物語から一歩引いて俯瞰するのではなく、この物語に入って主観的に楽しんでほしい。

画像引用:チケットぴあ

総評 

★★★★★★/★★★★★ 6.0/5.0
5点満点評価なのに異例の6点をあげたくなる出来だった。この物語を客観的に評価するともう少し点数は下がるかもしれない。ただ、この映画を見た中高生に対してこのようなメッセージを届けたという事実こそがこの映画の最大の魅力である。今が生きにくいと思う中高生や、そういった子を持つ親御さんにぜひ見てほしい一作である。





今どうしようもなく辛くて、どこにも居場所がないように感じるあなたへ、この作品があなたの心の拠り所になりますように







ホッと一息 かみくんコメント

歴代No.1映画でした。ここ最近、映像で殴るようなアニメが多いのに対して、この映画はメッセージ性に特化しているのがものすごくよかったです!!さらに深くは語らないのも非常に良くて僕たち視聴者に考えを委ねるところが中高生向けのテーマとマッチしていました。
本作を制作した原監督のインタビュー動画でさらに詳しく語られてますので、映画をご覧になったうえでインタビュー動画もぜひご覧ください!!!


本作を描いた辻村深月先生、本作を手掛けた原監督をはじめとした制作に携わったすべての方へ
このような素晴らしい作品を届けてくださりありがとうございます。
生きていく上での心の拠り所として一生大切にします。

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