【クリスティを当時の刊行順に読む15】『愛の旋律』
クリスティが「メアリ・ウエストマコット」名義で書いた初めての著作。1930年刊行。音楽の天才の生涯を描いた大河小説。
別名義にした理由はミステリ作品を読みたい読者の期待を裏切らないようにとの配慮らしいのだが、それがなんだというくらいしっかりクリスティ要素の詰まっている作品だ。
情緒をしっかり打ちのめされているので今回の感想文は長い。
・『愛の旋律』なのか
なにが『愛の旋律』だよ!というのが読了の瞬間の率直な感想である。確かに音楽の天才が主人公だし様々なかたちの愛が描かれて