終わりたいのか続けたいのか

「このくらいでいいか」

日々仕事をしていて、どうやらそんな違和感を放っておいてはいられなかった。このくらいでいいかということは、思った時点でそれ以上を目指すことを放棄しているということである。にもかかわらず、僕らの大半はそんなことを思いながら仕事をしている。こんなもんだろう、このくらいでいいだろうと。もちろん自分の仕事には責任を持ってやっていると胸を張って言える人もいるだろう。誰もが自分では一見そう思っているが、いざ自分に本当にそうかと問うてみると、あながち自分の予想が間違っていたりする。責任を持って仕事をしていると本当に言えるのだろうかと。その問いには、いやまだできる、もっと出来たと思うという意見が出るだろう。アンケートなんか取ると、この手の質問に僕らは自分への自戒の念も含めて、謙虚なのか分からないが、自分を卑下するような回答をする。この時点では、このくらいでいいかと思った自分を少なくとも肯定しようとしている。しかも、無理やりかつ強引に。このくらいでいいと答えると、そこで終了。にもかかわらず、僕らはそのまま仕事を続ける。一体、本当はどっちを望んでいるのだろうか。続けたいと思っているのか、諦めて終わらせたいと思っているのか。おそらくまたその答えも曖昧なものが返ってくるだろう。どうやら僕らはグレーなところが好きなようだ。白と黒でハッキリさせることで、浮彫になってくるものは非常に明晰で分かりやすく、高尚で美しさのようなものも感じられる。しかし、グレーはどちらでもなく、白とも黒とも捉えることも可能。さて、何の話をしていたのか。と思いながらもやっぱり、僕らはハッキリした方がいいと思う。

山口周さんという方をご存知でしょうかね。様々な本を書いている方なのだが、先週末にちょうど話を聞く機会があり、その話の中で1つ大人になってからの友達の作り方の話をされていた。大人になってからは中々友達を作るということを意識的にすることはないだろうが、子どもの頃と異なり、大人になってからの友達作りには好き/嫌いをハッキリさせておくことが重要だと述べていた。確かに自分の好きなものを話すときに相手も同じものを好きでいてくれると話は弾む。自分が嫌いな人やモノ、話し方や姿勢などを明確にしておくと、そういう人やモノからは自然と離れていくものである。

どうやらポイントは、ハッキリさせていくということのようだ。仕事を続けたいのか、終わらせたいのか。相手を好きなのか、嫌いなのか。グレーでは、その場所に留まるだけになるかもしれない。

この際、ハッキリさせていこう。

~fin~

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