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あの扉の向こうに『廻る天(そら)を眺めて』

あの扉の向こうには


ベッドから体を起こし身支度を行う

足取り早く駅へと向かっていた

はずだが、ふと気が付くと

眼のまえに空が広がっている。

何も考えずに

何も思い出せずに

天(そら)を仰いで過ぎる時間。

しかもその空は一定の速度で

ぐるぐると廻っており

少しボー然としてたが

落ち着きをとりもどしたら

変な笑いがこみ上げてくる。

色々な事に感情を入れ

悩んで、疲れて、倒れて

『廻る天(そら)を眺めて』

今ここに至る。

それが正しいかとか

分からないけど

自分なりに頑張ったらそうなった。

この世界中、無数に存在する中で

ちっぽけな一人の

きっと小さな出来事だから

誰にも知られず

このまま消えていこうかな。

天涯孤独とは寂しいけど

悲しませる事はない分

気が楽なのかもしれない。

ただこの身体の後始末が

できなくて申し訳ない

だって、もう動かないし

意識も薄れてきたから。

ありがとう、出会った人たちへ

楽しい事も沢山あった

その数だけ辛い事も。

でも満足してるから

あっちで会えるかは

わからないけど

お先に失礼するよ

ほらね、見て

天使が下りてきた。



そんな爽やかに覚悟を決めたのに、目を覚ますと『病院の天井(そら)を眺め』ていた物語。。

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