新型コロナウイルスの空気伝播に対するマスクの防御効果
東京大学医科学研究所が新型コロナウイルスの空気伝播に対するマスクの防御効果についての発表を行いました。
その内容のざっくり解釈と自分なりの考察をしてみたいと思います。
内容解説
東京大学医科学研究所の発表の中で、日常生活に関係ありそうな、布マスクと不織布マスクについて書きたいと思います。
詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
実験はウイルスが漏れ出さない特殊な実験室に、新型コロナウイルスを含んだ飛沫を出すマネキンと呼吸を再現して空気を吸い込むマネキンを向かい合わせに設置して行われました。
発表によると、
吸い込む側だけが布マスクをすると、マスクをしていない時より17%減
吸い込む側だけが不織布マスクをすると、マスクをしていない時より47%減
飛沫を出す側だけが布マスクをすると、マスクをしていない時より76%減
飛沫を出す側だけが不織布マスクをすると、マスクをしていない時より73%減
両方が布マスクをすると、どちらもマスクをしていない時より68%減
両方が不織布マスクをすると、どちらもマスクをしていない時より71%減
とのことです。
考察
まず気になるのが、どちらもマスクをした方が飛沫を出す側だけがマスクをした時より効果が小さいのかですが、
正直に言って、分かりません。
しかし、これは、単に実験結果というだけで、状況によって異なるということでしょう。
結果から見えることで興味深いのは、少なくとも飛沫を飛ばす側がマスクをすることには7割前後の効果が見られ、さらに吸い込む側も不織布マスクなら約5割の効果があるということです。
つまり、人と喋る時にはマスクをした方が良いということになります。
私はマスクはただのマナーだと考えていましたが、このような根拠があると考えを改めるべきだと思いました。
ともかくマスクはウイルス防御に一定の効果があることが分かりましたが、そうは言っても上の数値で分かるようにマスクの防御効果は100%ではありません。
つまり、完全にウイルスの吸い込みを防ぐことはできないのです。
マスクをしたからと言って、以前と同じような生活ではダメだし、マスクをしていようがしてまいがかかる時はかかるということです。
日本政府は2020年4月の緊急事態宣言のさなか、「人との接触を8割減らす」を目標としていました。
この数値同士は単純に比較できないとは言え、マスクだけではやはり心もとないのではないでしょうか。
マスクをする適切な場面を見極めながら、マスクの効果を過信しすぎず、マスク以外の手洗い、うがい等の対策をすることが重要なのではないかと思います。
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