【読書日記】1/18 歌はともだち 歌のともだち。『歌仙の愉しみ/大岡信、岡野弘彦、丸谷才一』

歌仙の愉しみ
著:大岡信、岡野弘彦、丸谷才一 岩波新書

 今日は、歌会始。お題は「友」。
 天皇の歌は祈りだといいます。コロナ禍の終息への願いと若人の未来を寿ぐ御歌でしたね。

 さて、年末年始に 「言葉の園のお菓子番/ほしおさなえ(著)」のシリーズを読み、連句に興味を持ちました。(1/1読書日記)もう少し詳しく知りたいな、と本書を読んでおりました。

連句は複数の人が集まって五七五の長句と七七の短句を交互に組み合わせて三十六句で一巻の「歌仙」を合作します。
 「詩人と歌人と小説家」の三者が集まって連句の催しをした、その記録。

 歌仙8巻が紹介されているのですが、その題名だけ読んでいても魅力的。
「鞍馬天狗の巻」「焔星の巻」「まつしぐらの巻」・・・
 その内容も、花鳥風月は言うに及ばず、古きと新しき、老若男女、人、動物、神仏果ては妖怪まで登場して喜怒哀楽、真面目かと思えば戯れる・・・言葉の横糸 想いの縦糸の織りなす森羅万象のタペストリー。
 なんだか山奥に迷い込んで、三人の仙人が酒を酌み交わしながら歌仙を巻いているところに出くわして、軽く幻術をかけられて春夏秋冬、世界中を駆け巡らされているような感じがしてきます。

 対談を読んでいると、この歌仙を巻くにあたってお互いに助言しあって一つの世界を創り上げているのが分かり、なるほど「座の文学」とはこういうことか、と思います。

数十年前の自分が、かつての文芸部仲間とわいわいやっていたころのことを思い出してしまいました。
 みんな、元気かな。ひょっとしてnoteのどこかにいるかもしれないけれど。

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