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【読書日記】2/5 図書館で数十年前の謎が解けた。『ネズナイカのぼうけん』

 ネズナイカのぼうけん ノーソフ 著 福井研介 訳 偕成社文庫

今日はお休み。図書館へ。児童書コーナーをぶらぶらしていたところ目に飛び込んできた「ネズナイカ」の文字。
え、これって・・・実在していたの?とドキドキしながらぱらぱら。

「ネズナイカ」。柏葉幸子さんの「霧の向こうの不思議な町」で、主人公リナが働いた古書店で惹かれていた本の題名です。
不思議な語感のこの題名、その他で引用されている書名は読んだOR知っている、のに、これだけは全く未知でした。周りの本好き仲間に聞いても知らないし、当時の私の行動範囲にあった図書室、本屋さんでは見当たりませんでした。ちなみに、数十年前、私がリナと同じくらいの年頃の頃の話です。
 ひょっとして、架空の書名なのかなあ、と思い、そのまま忘れていたようで・・・記憶の底に引っかかっていたんですね。

 さて、肝心の内容ですが、旧ソビエトのファンタジー。16人の小人の男の子たちの冒険が描かれています。それぞれ性格に応じた名前が付けられているのですが、ネズナイカは、「物知らず」とか「おばかさん」に該当するのかな。出来ないのに見栄をはってやろうとするから失敗ばかりになってしまいます。
 気球を飛ばしたりソーダの車を作ったりと「小人」というと自然派・手作業というイメージなのですが、結構科学的なところが旧ソ連っぽいなあ、と思いながら読みました。
 仲間と気球で旅に出かけますが、事故で不時着したところは、女の子の小人ばかりの町。彼女たちとの交流を通してネズナイカも成長していきます。 
 この女の子たちがなかなかかっこよいのです。医学・工学にも造詣が深くて町の運営も確りしている、どこか女子校の雰囲気もあって、リナが気に入っていたのもこんなところなのかな、とも想像しました。

 数十年の時を超えて謎の答えが見つかって、瓶に詰めて海に流した手紙が届いたような得も言われぬ感動を味わっています。
 もちろん、今だったらささっと検索して数秒で答えの出る話です。実際、試しに検索したらあっという間にいくつもの情報や読書感想がヒットしました。
 ただ、そんな長―い時を超えた答え合わせも悪くない、そう思える読書体験でした。