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詩歌の栞

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私のすきな詩・短歌・俳句に関する記事、詩歌関連の読書日記の記事をまとめました
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2023年3月の記事一覧

【詩歌の栞】3/6 啓蟄の日に。「動物詩集/室生犀星」他

日に日に春らしさの増す三月の初め、今日は啓蟄です。 室生犀星の「動物詩集」は、冒頭の序詩…

【読書日記】3/9 静かに過ごしたい夜に。「ソナチネの木/岸田衿子 安野光雅」

ソナチネの木  岸田衿子  安野光雅 青土社 この一節から始まる岸田衿子さんの詩。 その詩…

【読書日記】3/11 黙祷。「わたしの木、こころの木」

わたしの木、こころの木  絵・文 いせひでこ 平凡社  暖かく穏やかな昼下がり、仕事をし…

【読書日記】3/12 詩が生まれるとき。「彗星交叉点/穂村弘」

彗星交叉点  穂村弘 著 筑摩書房  街角や電車の中などで耳に入ってきた他の人たちの会話…

【詩歌の栞】 3/15 究極の非課税財産。「寸志/茨木のり子」

 茨木のり子 『寸志』 より抜粋 3月15日は所得税確定申告期限の日です。 納税は義務であり…

【読書日記】3/21 短歌と俳句、どちらも大人気ですね。「短歌と俳句の五十番勝負…

短歌と俳句の五十番勝負  穂村弘 堀本裕樹 新潮文庫 短歌の穂村弘さんと俳句の堀本裕樹さ…

【詩歌の栞】3/24 卒業と桜の季節に。「花の命は短くて/林芙美子」

「花の命は短くて 苦しきことのみ多かりき」 私は、長いことこの部分しか知りませんでした。 そして、私は「この言葉、苦手」でした。桜を見てこのような自己陶酔感あふれる台詞を言いつつ溜息をついている人とは、あまり仲良くなれないだろうな、と。 ところが、これは一連の詩の中の一節だったのです。 赤毛のアンの翻訳者、村岡花子へと贈った手紙にこの詩が書かれていたそうです。 イメージが全然違います。 敬遠していた人と話をしてみたら案外気が合うじゃないの、というくらいの意外性。 いつもい

【読書日記】3/30 恋する才能。夜桜お七「『MARS☆ANGEL』/林あまり」

『MARS☆ANGEL』 林あまり 著 河出文庫文藝collection 桜が美しいです。 しかし、3月も終わ…