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少し遅れてやってくる時間的豊かさ 【ユタカジン】

かめりんです。
ユタカジンLIVEは終わりましたが、今日もちょっとだけ順算のお話をしようと思います。

順算的に物事に取り組むとき、「早いうちから手をつけて、毎日少しずつ取り組む」がデフォルトのやり方です。計画を立てて頑張ってそれに沿うように進めるというやり方ではなく、習慣の力を利用しながら少しずつ物事を前に進めていきます。

そのため、なんとかして成果物を完成させるというより、「成果物がいつの間にかほぼ完成している」、といった過程をたどることになります。

以下はjMatsuzakiさんの逆算思考と順算思考の対比です。順算思考の一番下に「収穫が自然と実る」とありますね。まさに「実る」という表現がしっくりきます。


タスクシュートで順算的に物事を進める場合、まずはプランになんらかのタスクを追加し、それを少しでも手をつけ、実績に基づいてルーチン化します。

そして、ルーチン化したタスクが翌日以降のプランにも組み込まれるので、来る日も来る日も少しずつ手をつける流れ、習慣が生まれます。これをしばらく続けていると、ルーチン化したタスクに親近感が湧く感じがします。
例えるなら「大学でいつも一緒に授業を受ける友達」や「職場で毎日顔を合わせる同僚」のような感覚でしょうか。

完成や締め切りが近づいてきてもこのサイクルは変わりません。「顔を合わせる時間」(つまりは見積時間・実績時間)が長くなることはありますが、基本的には他の平常運転で、そのルーチンとしてのタスクをこなしながら他のタスクにも着手していきます。

しかし、寂しいことに(?)このサイクルにも終わりはきます。タスクが「完成」すること自体もこのサイクルの中に組み込まれています。これが「成果物がいつの間にか完成している」「収穫が自然と実る」というような形です。

一歩遅れてやってくる豊かさ

何かしらの成果物を提出したりイベントが終わったりということも、ルーチンの中で訪れます。もちろん、ずっと手をつけてきたことが完成したわけですから、そこには満足感があります。

そうして次の日がきます。プラン時には相変わらずルーチン化されたタスクがタスクシュート上に現れます。しかし、それはもうやる必要のないタスクです。
そのことに気づいた時に「ああもう終わったんだな」と理解して、ルーチンを無効化します。

この時に味わう感覚は不思議なものです。「やり終えた!」という満足感もありつつ、「もうやらなくてよくなった(よくなってしまった)」というようなちょっとした寂しさのようなものも感じます。
この一歩遅れてやってくるなんともいえない感覚を覚えるとき、僕は「時間の豊かさ」を感じられます。

最近もこの感覚を味わいました。ユタカジンLIVEの発表に使うスライドを毎朝少しずつ進めていましたが、イベントが終わりもうスライドを作る必要がなくなったときです。
ほんのちょっとしたアプリ上の操作でしかないですが、そこには飽きることない満たされるような感覚があります。タスクに対する思い入れが大きいほどその感覚は大きく感じられます。

豊かさが次の活動のエネルギーとなる

上で述べたような、一歩遅れてやってくる豊かさは、他のタスクを実行する原動力になります。

「早めに手をつけて毎日少しずつ続ける」がさまざまなタスクを進める上での基本方針なので、他に並行するタスクも存在します。そして、もちろんそれらも同じように進めていきますが、これらを日々実行していく上でのエネルギーとなり得ます。

また、ルーチンが1つ終了するということは、そのルーチンに使っていた時間もすっぽり空くことになります。この空いた時間というのが、また次の別のことに手をつけやすくさせるのです。
「ちょっと時間が空いたから、他の気になっていたことにもちょっと手をつけようかな」という具合に。
こうしてまた新しいルーチンが生まれていきます。


締め切り駆動の物事の進め方には、「燃え尽き」という言葉がつきものです。期限ギリギリになって全エネルギーをそこに注ぎ込み、なんとか期限内に間に合わせようとします。
間に合わせることにエネルギーを注ぐので、それがなんとか形になったときに燃え尽きてしまうわけですね。文字通りエネルギー切れなのだと思います。
エネルギーが回復するまで時間がかかるので、また次に迫るやるべきことへ着手する時間も短くなってしまいます。物事が回っているので悪循環とまでは言えないかもしれませんが、心地の良いスパイラルだとはなかなか言えないでしょう。

一方で「早めに手をつけて毎日少しずつ続ける」スタイルはなかなかエネルギー切れをおこしません。
それどころか、少しずつ着手し親近感が湧いたタスクが完了し、手を離れることで得られる豊かさを次の活動のエネルギーに変えて、その流れの中でいろんなことが自然と実っていきます。

こうした少し遅れてやってくる豊かさを日々繋いでいくことで、長期で持続可能な豊かな生活を送っていけるというわけです。

もしもしかめよ かめりんでした。


本記事はタスクシュート協会メンバーが運営する「ユタカジン」への寄稿記事です。
ユタカジンとは「自分らしい時間的豊かさを追求する」をテーマとして、時間や習慣、タスクシュートなどなどにまつわるお話が連載されていくマガジンです。
自分なりの豊かな時間の使い方に関するヒントがたくさん詰まっています。
今後もたくさん更新されていくので「ユタカジン」をフォローして日々の楽しみにしてくれると嬉しいです。

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