人生二作目の宝塚は花組「うたかたの恋」配信視聴感想
今年2月に御園座での雪組ボニクラ公演で宝塚初観劇を経験し、それ以降次は何を観ようかと公式サイト等見ながら悩んでいたのですが、2023年3月19日の花組「うたかたの恋」千秋楽配信を自宅で視聴しました。
ボニクラは後日配信でも視聴したので回数的には宝塚三回目ですかね。ややこしい説明。
私が初宝塚前に持っていた宝塚に対するぼんやりしたイメージでは「主役の人が階段から降りてくるらしい」だったのですが、そういやボニクラにはなかったので、うたかたの恋で初っ端から大階段観れてテンションが上がりました。真っ赤な絨毯に立つ主演のお二人、もうそれだけで画になります。
事前にあらすじを読んで、身分違いの恋に周りが見えなくなって心中する話かなと思っていたのですが、むしろ柚香 光さん演じる皇太子ルドルフは周りが見え過ぎている人で、がっつり政治の話でもあったのに驚きました。
皇太子であるがゆえにやらなくてはいけないことが沢山あり、結婚するのも自分ではなく国のため。
国の将来を憂い変化を願いながらも武力による改革は阻止しようとし、周囲には当たり前のようにスパイがいて自分の動向は筒抜け。
八方塞がりのような日々の中で、星風 まどかさん演じるマリーという小さな花を見つけたことが微かな光となる。
マリーは金で爵位を買ったといわれるような男爵家の令嬢ですが、愛されて育った天真爛漫な少女であるのが乳母とのやりとりで伝わってくる。
初恋に浮き足立つお嬢さんだったマリーが、一度ルドルフから引き離され、酒場で自暴自棄になるルドルフと再会した時には愛する人を慈愛で包み込む女性となっていた心情と表情の変化も素晴らしかったです。
途中まではあまりにもマリーが無垢だったので、この展開で心中してしまうと流石にマリーが可哀想過ぎないか……という懸念もあったのですが、酒場でマリーが椅子に座り、ルドルフがその手に縋るシーンはまるで宗教画のようでした。
ルドルフの母親であるエリザベートと出会ったことで、マリーはルドルフが満足に得られなかった母の愛をも与える存在になったのだなと思います。
あと今でこそ落ち着いて感想書いてますが、自暴自棄になって服装も乱れたルドルフの色気が半端なかったですね……! 配信…サンキュー……ッ!!
事件の舞台となるマイヤーリンクでのかくれんぼの指ちょんちょんも可愛過ぎて悶絶していました。でもこの時にはもう今後どうするかとか完全に話し合ってて、遺書も書いてたのかなあ……。
舞台セットがとにかく豪華で凄かったのですが、ドレスに生地がふんだんに使われていてゴージャスではあるのに、色味があまり派手じゃないのも良かったです。どこを見ても歴史と重厚感が詰まっていて視覚的にも充実していました。
最初の大階段もそうですが、ドにわかの私が想像していた「宝塚」が詰め込まれている演目だなあと思いました。
第二幕の「ENCHANTEMENT(アンシャントマン) -華麗なる香水(パルファン)-」は、あれこの方はもうルドルフじゃないってこと……?と若干混乱しながら視聴していましたが、あっという間に引き込まれてしまいました。
ラインダンスが好きなので白い衣装でズラッと並んだステージにテンションめちゃ上がってしまった。客席の方も一緒に扇子でやる振り付けのところとか一体感が画面越しにも伝わってきて、多幸感すごかったです。
ずっと華やかな衣装でスターが踊り続けて観客を魅了してくれる、なんだこのショーは……配信でもすごいのに現地で観たらどうなってしまうんだ……といい意味で動揺していました。
やっぱり兵庫か東京の宝塚劇場でも一度観てみたいかも、という気持ちが芽生えてきたので公演スケジュールとにらめっこ中なのですが、たまたま主演二人が最終的に亡くなる話を続けて観たので、三作品目はハッピーに終わる話が観たいかもとちょっと考え中です。
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