【たってー】仮面浪人するか迷っている君へ

　「京大に入って何か良いことがあっただろうか」と最近よく考えます。

　たしかに、偶然ながら超絶サックスが上手い京大生に出会ったり、200人くらいの吹奏楽団で指揮をしたりといった貴重な経験をしましたし、なんだかんだ興味のある学問分野も見つけ、いろいろな面で充実した大学生活を送れているとは感じています。また、おそらく京大生であることが良い方向に作用したおかげで、3回生の11月には第一志望の企業から内定をもらい、現在は就活とは無縁の悠々自適の生活を送れています。

　でも果たして、京大に入ったからといって自分自身に何か大きな成長があったかというと、それはよく分かりません。お調子者で、追い込まれるまで頑張れないという僕の弱点が無くなったかというと、特にそうは思いません。人間そんな京大に入ったくらいで変わりません。そんなもんです。

　先日、元仮面先のエリザベト音楽大学の演奏会に出演してきました。そのための練習に参加する中で、当時の同期と数日間を過ごしました。練習の合間に近くのセブンでご飯を買い、学生控室で数人でテーブルを囲いながら食べる、みたいな、まるで音大時代さながらの日々に懐かしさを感じるとともに、少し複雑な思いを抱いてしまいます。というのも、音大の元同期たちが楽しそうにしている様子はLINE等で伝わってきていたし、実際に件の演奏会に向けての練習の日々は僕にとって非常に楽しいものだったからです。そもそも、最後の演奏会に呼んでもらえる程度には元同期たちとは良好な関係を築いていたので、そのまま在学していてもきっと充実した学生生活を送っていたことと思います。

　というより、充実した大学生活なんてものはどこの大学でも送れるんじゃないかと思います。「大学は人生の夏休み」なのですから。結果オーライの今だからこそ言えるのですが、冷静に考えて「別に退学までする必要もなかったんじゃないの？」と実は５割くらい思っていたりします。そう思えるくらいには再受験はキツイものでした。

　じゃあ、「あんな大変な思いまでして再受験なんてしなければよかった」とハッキリ言えるかというとそれも微妙なところです。楽しい思い出は作れても、多分それでは気が済まなかったでしょうし。結局は自分がどう捉えるかの問題です。

　今、仮面浪人するかどうか迷っていて、少しでも今の大学に楽しみを見出せているならば、無理して再受験なんてしない方が良いと思います。つらい思いをしなくたって、充実した大学生活は送ることができます。ただ、今の大学では学生生活を楽しめないと、現在進行形で、本気で思っているのならば、何度でも気が済むまで挑み続ければ良いと思います。

　僕は今、京大での学生生活を最高に楽しんでいます。

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