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リメンバーミーと猫の死に場所
夫と息子が、映画「リメンバーミー」を観に行き帰ってきたら、家の前に猫がうずくまっていた。よくよく見ると老猫で、ほとんど死にかけているようだった。
食べ物を目の前に差し出しても反応しない。
保健所に電話しようとする祖母を止め、夫と息子はその猫を抱え、坂の下のお寺の近くにある林まで歩いていった。そして、その奥にそっと置いた。
すると、安心したかのように目を閉じたらしい。
リメンバーミーは死者の世界と繋がる話らしいので、夫と息子はそのシンクロに驚いていた。
そんな訳で、夫はその猫の死に場所案内人となった。
柔らかい草木の上で、安心して死期を迎えられただろうか。
わたしたちは、
死を目撃する時、自分の生を意識する。
そのことで、時々息苦しいくらい貪欲になってしまう。
過ぎ去るものに執着はないけれど、
出逢えるものに限りがあると思うと、焦る。
生を携えているものとしてどう生きるかを考えることは、決して悪いことではない。
しかし、何にも焦ることはないんだよと
日々自分に言い聞かせている。
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