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メルセデス・ベンツ C180 BlueEFFICIENCY Coupe

くるまの状態:ディーラー試乗車
試乗コース:六本木界隈


内装・居住性
このカタチのCクラスが導入された直後の2007年、セダンに少し触れたときは「オイオイ大丈夫かよ」と思ったプラスチックの質感が、まったく別物のように良くなっている。ダイソーからLoftになったぐらいの(ダイソーのひとすみません)。
今日び「クーペ」と聞くと、ミニバンの茫洋とした広さに慣れ切った人たちは「なんであんなに狭いクルマ・・・」とすぐに拒否反応を示すはずだけれど、ちょっと待って。
リア、そんなに窮屈じゃないですよ。むしろ十分。家族持ちでも全然大丈夫。
いや、まったく我慢しませんって。リアシートも抜かりなくきちんと作ってあるからなおさら。

一気に1000キロ行けるか?と言われると躊躇するけど、『渋滞→海老名S.Aでジャンボフランク喰って休憩→箱根とか山中湖で楽しむ→中央道の談合坂でジャンボフランク喰って休憩→夜に自宅・・・』的な日本の日帰り強行ドライブパターンでも不満はないでしょう。
車内でDVDを見るとかは考えてないですけど。せっかくの遠出、そんなヤボなことしないでおしゃべりしませんか?

走行性能
どうやら「アジリティパッケージ」というスポーツサスと17インチのホイールを装着するオプションが付いているモデルだったようで、道路の目地段差を越えたときのドタバタ感はちょっと雑かな?という感想。要は中途半端なのだ。
むしろ同じ固さなら「AMGスポーツパッケージ」の方が上質でガッシリしているのではないかと思う。ぜひ比べてみたい。

エンジンはメルセデス流。「これは原動機であるがゆえエンタメ性など知らぬ」とまったく頑固。
十分な動力は供給してくれるけれどガーガーザーザーと色気のない音でお出迎え。ちょっとつれないよね。
けれども曲がりの楽しさはさすがFR。
ステアリングにパドルは付かないけれど、シフトレバーでマニュアル変速をしながらキビキビ走ったときの印象は爽快。
なにかとんでもない仕掛けがあるわけではないけれど、安心して飛ばせるのだ。
なんでしょう。冷蔵庫のあり合わせの食材でおいしいモノを作っちゃうタイプかしら?
スッと鼻先が内側に向く感覚はオーナーが「買ってよかったなぁ」と思う瞬間になるでしょう。

総合評価
幼年期~中学2年まで我が家の車がカリーナの2ドアハードトップだったせいか『2ドア=ファミリーカー全然問題ないでしょう』説を支持しているワタクシ。ホントかよ?と疑われる方もいらっしゃるでしょうが、敢えて言わせていただきたい。
十分に実用的です!トランクスペースもあるし、車内をコドモがうろつくこともないので安全で躾にも良い。
確かに価格はそれなりに高いので新車で激しくおすすめ!というワケにはいかない。
しかし数年後、値段が落ちてきた優良な中古モデルを、子供がまあまあの大きさになるまで乗るつもりで購入、という選択は結構カッコイイ自動車生活じゃないだろうか。
耐久性は十分にあるが故、なんとなればその後のリタイヤ生活でも彩りを添えるアイテムにもなるでしょう。
考え方によってはちょこちょこクルマを買い替えるよりコスパが安く済みました、なんていうこともあるかもしれない。
子供からしてもメルセデスのクーペに乗ってる家庭って、面白いしちょっとパンクな気がする。
あとでいい思い出話になりそうだし、積極的に家族持ちの方に検討していただきたいモデルだ。