ワイと助手〜抽象的にもほどがある〜
ワイ「今日は記念すべき400日目です。」
助手「せっかくだからなんか頂戴。」
ワイ「何が欲しいですか?」
助手「え?いいの!じゃあ私が喜びそうなもの。」
ワイ「なんですか、それ。」
助手「女心を読むのは男の役割だと思うの。」
ワイ「それってかなりの無茶振りですよ。」
助手「そうかしら?」
ワイ「抽象的な表現をする人には傾向があります。」
助手「なによ。」
ワイ「まず言語化する能力に欠けています。」
助手「失礼な男。」
ワイ「そもそも脳内に描いたイメージを最適化する語彙を持ち合わせていません。」
助手「まるでアナタはできてると言いたいようだけど。」
ワイ「まぁできていますね。」
助手「なんだかムカつく。」
ワイ「物事を抽象化して捉える思考自体は良いことですが、それを相手に伝えるときは具体的でなければいけない。」
助手「なんでよ。感じればいいじゃない。」
ワイ「そもそも抽象化された表現は、受け手の性格・思考・捉え方で解釈ができてしまう。」
助手「ってことは?」
ワイ「伝えたいことが伝わらない、ってことです。」
助手「そうかな?」
ワイ「例えば旦那が『なんかうまいもん食べたいなぁ』と言ってきたとしましょう。」
助手「あぁ、よくあるよね。」
ワイ「それで奥さんが頑張って美味しいものを作りました。」
助手「奥さんエライ。」
ワイ「しかしできた料理を見た旦那は一言。『なんか違うんだよな〜』と言いました。」
助手「殺意を覚える。」
ワイ「ね。抽象化した表現ほど曖昧で伝わらないことが分かるでしょう。」
助手「納得だわ。」
ワイ「言った通りにして欲しい場合は特に、具体的な表現をしなければ軋轢を生み自分がイライラすることになります。」
助手「きちんと伝えることって大切なのね。」
ワイ「そうです。阿吽の呼吸で理解してもらえるのは理想的ですが、それに依存すると自分の表現力低下に拍車がかかりますよ。」
助手「気をつけなきゃだね。それはそうと・・・。」
ワイ「なんですか?」
助手「さっき言ったプレゼントなんだけど。」
ワイ「あげるって言いましたっけ?」
助手「『何が欲しいですか?』って聞いたじゃん。」
ワイ「いや、聞いただけであげるとは言ってません。」
助手「騙したわね。」
ワイ「勝手に誤解しただけじゃないですか。」
助手「私の心を弄んだ罪は重いわよ。」
ワイ「抽象的な表現が失敗でしたね。」
助手「プレゼントくれたら許してあげるよ。」
ワイ「金がないので途方に暮れてます。」
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