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あの子はどこにいるだろな

京都へ小説の取材に行く。関西には美味しい生一本がごろごろしている。日本酒大好き、楽しみだ。

一人で遠くまで旅することが出来るようになったのは、大学時代の友人のおかげだ。私をBL沼に沈め、聖地巡礼に新潟まで連れ出してくれた。

当時、家族以外との旅行は修学旅行しか経験がなかった。BLに魅せられていなければ、臆病な私は家族旅行しか知らずに朽ち果てただろう。

そんな友人の卒業論文は、男色の歴史についてだった。どこまでもBLとともに生きる彼女の生き様を、生一本と言わずになんと言おう。

勉強好きな彼女は卒業しても、あちらこちらの大学に入り直して研究を続けていた。いつしか疎遠になっているが、彼女が今も遠くでBLについて研究している様を思うと懐かしく、私も遠くへ行きたくなる。

寺社仏閣にも目がなかった彼女の行方がわかったら、晩秋の京都の写真でも送ろうか。今度の旅行の生一本に並ぶ楽しみだ。

#旅する日本語

執筆に必要な設備費にさせていただきたいです。