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小詩集、猫と眠りと邪悪な雀

見出し写真は、Facebookページハムスター詩の部屋、見出し。

今日も路地裏でタバコを吸っていると

屋根の上に猫があらわれた

はーいと手を振れば

なんやこいつと身構える

悪人といえど

いまは悪意はござんせん

善人づらもいたしませんが

くるべき

地震もくるでしょう

台風も大型化し

病はひろがり

崖っぷちから転落するのを

楽しげにまちわびるわたしら

ぶち猫様

あんたを拝んでいるぐらいで

日常の信仰は満たされる

夜半から今日1日雨らしい

雨の日は猫は眠たいらしい

肉食ハンターとして合理的な生き方だ

私は雑食の猿としてやはり眠たい

でも猿知恵で妄想するのに忙しい

近代政治思想史における正直と嘘について

馬鹿の半端な正直は迷惑だし

お釈迦様きどりで嘘も方便なんてのもねえ

そもそも絶対に正しい知恵なんて妄想だし

中途半端だと思いため息ついて

寝るのが正直

猫のひたいのような私の世界

肉球🐾のようにむにむにの宇宙

眠りの森の美女

百年のねむりひめ

究極の姉さん女房

もしかして僕は彼女の夢に

すぎないのでは

たとえ災厄に満ちた

偽善の悪夢だとしても

彼女にくちづけした瞬間

僕と僕の人生は消滅するかも

それでもかまわない

僕の孤独を

百十五歳の姫に捧げる


ぼくの中には邪悪なものがある

でも雀は寄ってくる

おなじ邪悪なものが

かれらの中にもあるからなんだろう

数億年まえからの邪悪さが

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