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今年のお正月は餅を食べなかった。さて、餅はなぜめでたいのか。

正月に餅を食うのをわすれていました。
というより、餅は年中売られるようになり、ことさらめでたくもなくなった。
調理器具はIHしか使わなくなり、ガスは契約解除しました。ストーブはセラミックファンヒーター。
餅を焼く、というのも、オープントースターが壊れてから、しなくなった。
1人暮しの年寄りが、餅を喉につめたら、孤独死するしかない。
ま、いいか、です。

維新の怪なる政党らしきものが、さかんに、二重はけしからんと言いまくり、なんか刷り込まれた人もたくさんいます。
なら、鏡餅など、二重の権化で許されないでしょう。

カンリンポチェ山
須弥山のモデルとされ
インドとチベットの古代信仰の聖地

山は神聖なものです。
だから、積み上げて山となすのは、人類の深層の記憶に基づく。
鏡餅の鏡は、古代から神の依り代として祀られてきました。
丸い餅を、鏡とみなす。
二つ重ねるのは、太陽と月、とも、男と女とも言われます。
世界的に、太陽を矢で射るという神話があります。それが、丸餅を的にして、矢で射るという話に変化したのが、古代秦氏の伏見稲荷創建譚になります。
餅を矢で射ると、餅は白鳥となり飛び立ち、伏見の山に降りた。
そこで、神祭をした。

四天王寺亀井水コラージュ
右下は飛鳥の亀形水盤

四天王寺では、年末に各お堂で鏡餅のご寄進を募り、ずらりと並べて年を越します。
お正月にお詣りされたら、二段のうちの一つを持ち帰り、一つは四天王寺さんに置いてゆきます。だから、二段なければならない。
四天王寺さんは、そのお餅で、14日の裸まつりどやどやの時に、おぜんざいを参加者にふるまわれます。
鏡餅が二重なのは、神聖な山でもあると考えられると、先に申しました。

カンリンポチェ山の北の麓にある
マナサロワール湖

古代信仰の聖地、須弥山。その北にある湖は、インダス、ガンジス、プラナプトラなどの大河の水源とされます。アノクダッチ、無熱池とも呼ばれます。また、四天王寺の亀井水の水源とも言い伝えられてきました。
亀井水の上、亀井堂に供えられた鏡餅は、須弥山でもあり、はるか水源地のアノクダッチから見るカンリンポチェ山でもある、ということになります。

四天王寺
大阪市天王寺区

お餅を食べ忘れた2023年お正月。
鏡餅のお話で、えんぎをかつぐことにいたしました。

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