露天神=お初天神、曽根崎心中の世界と水の信仰、大阪観音霊場道行「恋を菩提の橋となし」
曽根崎心中、を検索したらFacebookさんのAIは
「お悩みごとがあるならだれかに相談しませんか」
と返事した
心中、という言葉はあかんねやね。
おみゃあ近松門左衛門を知らんのか!
気を取り直して。
大阪湾に砂州・ラグーンが形成されるなか、曽根州→曽根崎の、古代の天皇の神事八十島祭り、にかかわる信仰が根底にあるのではないか。
大阪、梅田の露天神、愛称お初天神。恋人の名所に、おじさんひとり、またまいりました。この社の起源は、露の井戸。その説明に、大阪の水の名所として、
なにより四天王寺亀井水を語ってくださっています。
たいせつなことを承知されている、大阪の誇るお社です。
曽根崎心中の悲劇の舞台。水の供養に癒されて、恋人たちの命ときめく。
亀井水調査に励ましいただく、なにわのこころ、たのもしく美しい。
近松門左衛門の「曽根崎心中」は、実際にあった心中事件を題材にして、彼の出世作となる。
血なまぐさい物語を昇華させるために、冒頭に大阪観音霊場巡りの道行が語られます。
当時の浪花人の信仰世界を知る、大切な道行です。
曽根崎心中・観音霊場巡り道行・原文
一番に天満の。太融寺。此の御寺の。名もふりし昔の人も。気の融(とほる)の。大臣(おとど)の君が。塩竈の浦を。都に堀江漕ぐ。潮汲舟の跡絶えず。今も弘誓の櫓拍子に。法の玉鉾ゑいゑい。大坂順礼胸に木札の。普陀落や。大江の岸に打つ波に。白む夜明けの。鳥も二番に長福寺。空にまばゆき久方の。光にうつる。我が影のあれあれ。走れば走るこれこれ又。止まれば止まる。振りのよしあし見るごとく。心もさぞや神仏。照す鏡の神明宮拝み廻りて法住寺。人の願ひも我がごとく誰おか恋の祈りぞと。あだの悋気や法界寺。
東はいかに。大鏡寺草の若芽も春過ぎて。後咲きなる菜種や罌粟(けし)の。露にやつるる夏の虫。をのが妻恋。やさしやすしや。あちへ飛びつれこちへ飛びつれ。あちやこち風ひたひたひた。羽と羽とをあはせの袖の。染めた模様を花かとて肩に止まればをのづから。紋に揚羽の超泉寺。扨(さて)善導寺栗東寺。天満の札所残りなく。そなたに廻る夕立の雲の羽衣。蝉の羽。の薄き手拭。あつき日に。貫く汗の玉造稲荷の宮に迷うとの。闇は理(ことはり)御仏も。衆生のための親なれば。是ぞ小橋(おばせ)の興徳寺。四方(よも)に眺めの果てしなく西に船路の海深く。波の淡路に消えずも通う。沖の潮風。身にしむ鴎。なれも無常の煙にむせぶ。色に焦がれて死なふなら。しんぞ此の身はなり次第。さて。げによい慶伝寺。縁に引かれて。またいつか。ここに高津の遍明院。菩提の種や上寺町の。長安寺より誓安寺。上りやすなやすな下りやちよこちよこ。上りつ下りつ谷町筋を。歩み習はず行習はねば。所体くずをれアアはづかしの。漏りて裳裾がはらはらはら。はつと返るをうちかき合はせ。ゆるみし帯を引き締め。引き締め。締めてまつはれ藤の棚。十七番に乗願寺。これからいくつ生玉の本誓寺ぞと伏拝む。数珠につながん菩提寺や。はや天王寺に六時堂七千
余巻の経堂に経読む酉の時ぞとて。余所の待宵後(きぬ)朝も。思はでつらき鐘の声こん。金堂に講堂や万燈院にともす火は。影も輝く蝋燭の新清水(きよみず)にしばしとて。やがて休らふ。逢坂の関の清水(しみず)を汲上げつ。手にむすび上げ口すすぎ無明の酒の酔いさます。木々の下風。ひやひやと右の袖口左の袖へ。通る煙管(きせる)にくゆる火も。道の慰み熱からず吹きて。乱るる薄煙。空に消えては是も又。行方も知らぬ。相思い草。人忍ぶ草道草に。日も傾きぬ急がんと又立出づる雲の足。時雨の松の下寺町に信心深き心光寺。悟らぬ身さへ大覚寺さて金台寺大蓮寺廻り。廻りて是ぞはや。
卅(さんじゅう)番に。三津寺の大慈大悲を頼みにて。掛くる仏の御手の糸。白髪町とよ黒髪は恋に乱るる妄執の。夢をさまさん博労の。ここも稲荷の神社仏神水波しるしとて甍並べし新御霊に。拝み納まるさしも草草のはすはな世に交り。卅三に御身を変へ色で。道引き情で教へ。恋を菩提の橋となし。渡して救ふ観世音誓ひは。妙(たへ)に有難し。
近松の真似して、四天王寺の道行きを試みました。恥ずかし。
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