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社会学の創始者は教祖様になった~コント・老いらくの熱愛


統一教会に関しては宗教的インスピレーション皆無の、CIAによりつくられた政治的カルトだと私は断定しますから、さっさと宗教法人を取り消して、詐欺罪で摘発してほしい。

で、宗教と政治という複雑怪奇な、数千年の課題が浮上する。

ここには、人類のあらゆる知的探求がかかわります。

で、頭のすみっこをチクチクと刺すちいさなトゲのような、どうしてもひっかかる学者がいます。オーギュスト・コントです。

19世紀前半、欧米社会が産業革命により大躍進の時代を迎えたなか、社会の進歩をいかに理解し計画すべきか。

それを、総合的俯瞰的に理論化したのが、在野の貧乏学者、コントさんでした。

それだけなら、はあそうですか、ですが。

コントは晩年、薄命の未亡人への運命的な片思いの恋に落ちる。彼女とよき友情を結べたと思うや、ああ宿痾の結核で、かのひとは世を去るのでした。

そして、コントは彼女を神格化し、人類教という宗教を宣言する。

私は、コントという、コントみたいな思想家の気持ちが、痛いほどわかるような気がする。

科学的進歩主義の結論は、人類教である。

実は、コントの人類教は、ヒューマニズムという言葉で、20世紀に引き継がれたと思う。

そして、ヒューマニズムの内なる宗教的独善性が、21世紀の我々の深層の苦しみではないか。人類教というギャグにゆきつく、社会進歩の理論。

老いらくのさむさに実る恋の火のはかなき夢ぞ人類史

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