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シンデレラのあなたにガラスの靴を履かせたいぼく #超短編小説

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かめがやひろしの超短編小説マガジンです。
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2018年3月の記事一覧

振られてとてつもなく死にたいと思ったのに、ぼくはまだこの世界で呼吸している。(超短編小説#21)

振られた。 大好きだった彼女に。 あんなに仲がよかったのに 振られた。 振られた直後のこの世界は 絶望という言葉が似合いすぎるほど 色を失っていた。 忙しいはずの3月も それより忙しい4月も 絶望のなかでの記憶は どこかあいまいで それでいてただただ ツライだけだった。 でもぼくは今こうして まだこの世界で 呼吸している。 「呼吸」という言葉を辞書でひくと 『息を吐いたり吸ったりすること』 と書いてある。 全然食欲がなくて うまく笑えなくて 急に悲しくなって 泣い

想い出は温かいスープのように。(超短編小説#20)

夕方の恵比寿駅はにぎやかで 春が来たように華やかだった。 気温が20℃近くまで上がった今日は 心の体温も上がっているように感じる。 改札を出て飲食店が 軒を連ねる通りを抜ける。 恵比寿西一丁目の交差点を斜め左に進むと 案内にあったカフェはすぐだった。 白い壁に木目調の床。 オシャレという言葉が溶けるほどに 浸透しそうな場所だった。 会話を楽しむ人々を抜けると 友人たちがすでに1つのテーブルを埋めていた。 「お疲れー。」「元気?」 そんな言葉を浴びると あのときの自