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0次情報当事者が語る凄みと守破離

木下斉さんの以下の記事で、メディアやレポートによって得られる二次情報ばかりに触れるのではなく、一次情報、つまりは自分が見聞きした情報をいかに得るのか?は大事だ。しかしながら、その一次情報の前、まだ何も起こらない段階から自ら作り出す0時情報を作り出すのが超一流だ、というお話をされていました。

先日、とある講演を伺う機会がありました。
内容は、とある企業(以下、A社とします)に勤める方が配置転換で担当した海外事業は、売上とほぼ同額の赤字を出していたというとんでもないものだった。この時点でも十分マズイのだがその後、経営層からは数年以内に黒字転換しなければ事業撤退を指示された。背水の陣のなか、結果として売上・利益増により黒字転換を達成したがそのプロセスはどのようなものだったか、というものです。
まさに0次情報、混沌の中から自ら立ち上がってこられた方のお話でした。

0次情報の主体者が語る講演には、そうでなければ持ちえない凄みや迫力がありました。また、木下氏が常に指摘しておられる守破離のプロセスに沿っているとも感じました。

以下では講演の概要と私の気づきをシェアいたしますが、講演においても該当部分の資料配布はされず投影のみ、かつその方も継続してその事業に携わっておられる方ですので、有料コンテンツにいたします。
ご興味があればどうぞお付き合いください。


守① - 模倣ブランド扱いから脱却し、適切に値上げしていく

A社は長い歴史を持つ消費財ブランドを持つ日本企業です。
海外進出したものの、該当国では模倣ブランドのシェアが高く、世界的には先発で品質が優れた自社ブランドが後発で、かつ逆に模倣ブランド扱いを受けてしまうという状況でした。また模倣ブランドが安価であるがゆえに、価格競争を過分に強いられていたという課題もありました。
そこでA社が打った手はこのようなものでした。

・模倣ブランドそのものを買収する
・適切な値上げと、低益率OEMからの脱却
・卸先在庫の圧縮

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