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中国で骨折・入院し手術を受けた話 - 後編

Kametaroでございます。お疲れ様です。
タイトル通りのお話、続編でございます。前編はこちらです。

前回は無駄な日程が含まれた入院が決まり、ドギマギしながら手術の時間を待つ・・というところまでの記事でした。今回は手術を終え、退院するまでのご報告となります。

Voicyで木下斉さんが「やばいよ病院」を有料放送されていますが、中国の病院もなかなかのやばさです。相通じるものが多くありました。

一つ申し上げるとするならば、本当の意味での転ばぬ先の杖なんてものはあありません。人間は転びます。
しかし、転んだ時海外旅行保険に入っていれば助かりますよ。これを読んでおられる皆さん、海外へは丸腰で行かれませんように。ここは強く申し上げておきます。


〇 これが初日でいいんじゃないのか・入院2日目午前

朝5時に何の前触れもなく検温で叩き起こされ、その後中国語不案内な私の前に誰やねん状態で白い巨塔よろしく、謎の医療集団が続々かわりばんこにやってきます。

8時過ぎに医療通訳がやってきまして、それがフロア担当の看護士長さん率いる集団、当直医さん率いる集団、整形外科軍団であったことがわかりました。いやいや、医療通訳の意味とは。
「私に電話してくださいよ」
と言われたのだがコミュニケーションが発生する前に電話してもどうしようもないんだけど・・

手術を受けるに際しての承諾書を日本語訳とともに渡されます。しかし、入院してから日文訳を渡して、非承諾だったらそのまま退院するのか?というところにも疑問があります。順番おかしくないか?

明日は午後手術だからね、xx時以降絶食・飲み物も駄目よと言われます。
午後何時なのですか、と聞いたのですが要領を得ません。「多分午後イチじゃないの?」どまりです。多分じゃ困るんだけどな・・

血液検査など各種検査は簡単に終わり、時間を持て余します。ほんと暇でやることないです。病気で寝たきりでもなければ、手以外は元気ですので困ったものです。そうこうしている間にお昼ご飯が配られました。

工場メシ的な中華弁当

病院食にしては大分コッテリです。コロナ禍中のホテル隔離弁当を思い出される内容です。内容先取りになりますが、絶食に入った翌日朝・昼も出てきました。食えないのに出さないでくれよ。

〇 暇を持て余し徘徊、入院2日目午後

暇です。
実に暇であります。
Wi-Fiは快調でしたので仕事したりしてみますが右手が効かないのでなかなか捗りません。割り切ってひたすらアマゾンプライム動画を見ておりました。病院にエンタメコンテンツが欠けるとは木下さんも指摘しておられましたが、本当にそうです。実に楽しくない。色彩も地味で、長居するとクサクサしてきます。こんなところに長期入院なんて、ごめんです。

明日の手術を待つだけになったのでいよいよ今日が入院初日で良いだろという思いが強くなってきます。当日は雪が降るほど寒かったのですが、病院構内のコーヒーショップまで散歩に出かけます。コンビニもあれば尚よかったのですが。中国ですからなんでも出前で取り寄せられるものの、余計外出機会が失われかねません。

コーヒーで一服

夕方になると医療通訳が登場です。
「明日、手術後は家族が来ますか?」
「何故ですか?来ませんが。」
「手術後は付き添いが必要なのですが、誰も来ないのですか?」
「いや、私そんなこと今初めて知りましたよ。事前に教えてくださいよ。」
「じゃあ、付き添いの人を手配しますね、保険で対応できますからご安心ください」
いやいや安心できないよ、付き添いの人誰やねん。

いやー、マジで入院するなら母国で、ですよ。
日本の手厚い皆保険制度・医療制度を維持するためにも、社会保険制度改革は必須。私もそのために働きかけをしたいと心から感じた瞬間でした。
それはともかく、もうふて寝するしかありません。

〇 手術台で同意書を書く!? 入院3日目前半

3日目も前触れ無しの5時検温からの白い巨塔で始まります。
手術はいつなんだ?とここでも聞いてみますが要領を得ません。
結果的には14時にお迎えがやってきまして、ベッドごとガラガラと手術室の附室に連れて行かれました。ここで麻酔をするようです。
ここまで飲まず食わずは少々つらかったのですが、手術後にも飲まず食わずはある一定時間続きます。よく考えれば当たり前なのですがこれもきつかった。

医療通訳はあくまで通訳であり、医療者ではないので附室を含めた手術室に入れません。そのような中
「お前の名前を言え!」
「Kametaroであります!」

という会話が繰り広げられます。取り違え防止なのはわかりますし、簡単な会話ですので中国語でも問題ありませんが、ベッドに固定されている状態ですからなかなか痺れる状況ではあります。

「麻酔するよ!脇下と首に注射するからね!」
といったニュアンスのことを英語で言われました。
シチュエーションから意味は取れましたが、Injection = 注射はともかく、Anesthesia = 麻酔。そんなもん分かるか!
専門用語を他国語で言われるのはキツいです。ともかく、数十分したら麻酔が効いてきまして、腕の感覚がなくなってきました。

手術室に搬送されます。ここで今回の一番あり得ないことが起こります。
「手術の同意書、サイン貰ってないのがある」
今かよ!今じゃないだろ!

手術室のベッドの上で、右手が麻酔キマッた状態で同意書にサインする私。マジかよ。
入院前に冗談で
「ショッカーに改造人間にされてくる」
と言っていましたが本当にそんなノリだよ。勘弁してよ。

右手が持ち上げられます。麻酔が効いている状態では、右手を動かされて何も存在しない、右手がもとあった場所に右手があるように感じるのですね。切断した身体の一部がかゆく感じるような現象ってこういうことなのか・・ふむふむ・・と、私の方も今じゃないだろ的感想を持ったまま麻酔され眠りに落ちました。知らない間に手術終了です。

〇気づいたら付き添い登場 入院3日目後半

病室のベッドで目覚めます。まだ右手はがっちり麻酔が効いており、右手が実に重い。普段は自分の意思で動かしている身体の一部ですが、効かないとなると実に重いものです。
ここで付き添い登場ですこんばんは。

結果的に付き添いの方は結果的にこうした行為に慣れており実にスムーズで助かりました。
しかし「ちょっと病室が寒い」といったら室温設定を30℃にされたのには閉口しました。こちらはまだ絶食続いているし、点滴・麻酔が繋がっているので動きにも制限があります。たまらん。
付き添いの方は適宜来て、水を綿に含ませ唇に当ててくれました。
これが・・餌付けか・・・!

夜半に「そろそろ飲食していいよ」ということで食えないのに出された朝食が役に立ちました。この状態でコッテリ中華弁当は食えんわ。

付き添い大姐のパジャマ姿もなかなかパンチが効いておりましたことを、加えてご報告しておきます。

〇4日目、そして退院

もう5時の検温で叩き起こされるのにも慣れっこです。
白い巨塔軍団が術後の確認をされます。
「安心しろ、予後は良好だ!包帯を巻きなおそう!」

マジか

雑です。実に雑であります。昭和か。いや大正か。
医療通訳はクリニックでやり直してもらえと言います。いや、今ちゃんとしてよ。
「リハビリのために手を動かしまくるのだぞ!痛みが強くでない限度を見ながら取り組むが良い!そうそう、雑菌が入るといかんから絶対に患部を濡らすな!」
*後日日系クリニックのお医者様曰く、「濡らすなは毎回言うけど別に濡らしても問題ないよ、あいつら絶対毎回濡らすなっていうけどね」
だそうです。どっちやねん。

保険適用なので私の負担はありませんが、請求書が回付されてきました。
約35,000元(約73万円)と記憶しております。
たっけー!いや、普段の日系クリニックのほうが保険適用なのを良いことにはるかにとんでもない価格をふっかけてくるからむしろ安く感じる。

退院後に服用が必要な薬をここで渡されます。
医療通訳、どういう薬なのかの説明が実に適当です。分からない薬を飲むことになるなんてとんでもないことです。成分を見るとどうやら抗生剤と痛み止めのようです。ここでも思う。入院するなら母国語環境。

〇もう二度と勘弁な!

家族が迎えに来て退院です。お疲れ様でした。再診が終わったらもう二度と来ないぞ。

しかしながら、そんな入院生活も恐らく随分マシなものだったと言えるでしょう。ガチ中国病院はもっとヤバいのは、華村さんの記事が示す通りです。

そういう意味でも、再度申し上げます。大事なことなので3回言います。
海外旅行保険加入は必須!入院するなら母国語環境!
海外旅行保険加入は必須!入院するなら母国語環境!
海外旅行保険加入は必須!入院するなら母国語環境!

お付き合いいただきありがとうございました!

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