いつか、なんて来やしない
人の幸せ、喜べません。
だって、それが普通でしょ?例えば人が自分よりいい成績だったら羨ましいし、褒められてたら妬ましい。
でも、そういう暗い感情を笑顔と「すごいね」って言葉に隠すのが人間って生き物で、そうしないと社会という群れの中では生きていけない。
幸せな他人を笑顔で祝福しながら、心の内は嫉妬で溢れかえってるんだ。
だから、「私の幸せ、喜べますか?」って問いの答えは「NO」だ。その幸せ、僕に寄越せって思うじゃん、ねぇ?
家族の幸せなら、本当の親友の幸せなら、いざ知らず、他人の幸せまで本心から喜んであげられるほど、僕はできた人間じゃない。
だけど表面は取り繕ってなきゃいけない。いけないのに、困った、笑顔が剥がれてきてるんだ。
人に笑いかけるとき、顔が引きつっているのが自分でも分かる。
これは困った、困ったことなんだけど、解釈を変えれば、自分に素直になってるってことだと思うんだ。人の幸せ喜べない。だから笑えない。
そう考えれば、別に悪いことじゃないんじゃないかなって、でも、人との関係が大事な社会では、やっぱり自分に素直になっちゃダメなんだ。
ほら、僕、笑え!
こうやって僕は笑って、笑って笑って生きてきたけど、でもさ、やっぱりこれは良くないよね。自分の心を見ないふりしてるんだもんね。会社に来なくなっちゃったあの人も、ちゃんと自分の心を見ていてあげれば良かったんだ。ちゃんと心からのSOSに気づいていたはずなのにな。
だからさ、僕、いつかやめたいな。自分の心にフタをするの、いつかやめたいな。
まだ、無理だけど。でも、いつか。