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エンジニアの混乱と成長について

この記事では、普段エンジニアリングマネージャーの方たちとお話する中で感じた、最近のエンジニアを取り巻く環境と成長への焦り、その対策について書いてみます。


エンジニア周辺の環境の昔と今の違い

端的に言うと、昔に比べてエンジニア周辺の情報が非常に増えて、何にフォーカスすれば良いのか、混乱しやすくなっているようです。選択できる技術スタックの数が増えているというのもありますが、エンジニアリングについて発信する人の数が増えているのもあるようです。

例えば・・・

・採用やブランディングのためのスタートアップ企業のエンジニア紹介記事
・エンジニア自身が発信できるweb サービスや発信する人の数の増加
・ものすごい量の勉強会の開催 (ConnpassのIT勉強会カレンダーを見てみると、今日12月14日の1日で147件!)

これらによって、隣の芝生ならぬ、隣のエンジニアが強そうに見える、自分の知らないことを知っている、自分よりも優れていると感じるようなタイミングが増えていて、しょんぼりしがちになっているようです。

マネージャーや同僚から見て、十分な能力と成長をしているのに、まわりと自分を比べてしょんぼりしてパフォーマンスが落ちていたらもったいないですよね。なので、そういうときのための対策をいくつか書いてみました。

対策1: すごそうな人、実はそんなにすごくないこともあることを知る

よく業界で知名度があったり、すごい数のフォロワーがいると圧倒されてしまいますよね。でも、知名度があるというのは、そのままその人の技術力や仕事が出来ることを反映しているわけではないようです。フォロワーがたくさんいる人は、「理由はともあれフォロワーをたくさん作ることができた」ことしか示していません。「知名度が高い人がこう言ってるからこの技術をやるべきなんだ」とか「このフレームワークはもうオワコンなんだ...」と惑わされないようにしましょう。

ポイントなのは、そのすごそうな人が実際にすごかろうが、すごくなかろうが、特に未来予測は当たったり外れたりします

対策2: フルスピードで成長した場合について考える

なんとなく成長していないような気がする...や、成長のスピードが足りていない気がするというもやもやを抱えているときは、「気がする」をクリアにする時間をとって、向き合ってみるのもおすすめです。

いろいろなやり方がありますが、1ヶ月前、3ヶ月前、6ヶ月前などと現在を比較し、何が出来るようになったかを書き出してみて、このあと1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後の計画を立ててみるのはどうでしょうか。

全身に力をぐっと込めても、成長率が2倍になったりしないので、計画と、その実績がどれくらい違ったかを見てみるのは、もやを晴らすのに有効です。

対策3: 転職することを想像する

これは同僚と自分を比較してしまう方におすすめです。僕は転職すると昔の同僚の技術力と自分の技術力の比較に気を病むことにあまり意味がなかったなと気づきました。一緒に働くなったら、今どうなっているか分からないですしね。そして、転職を繰り返すと、他の人との比較よりも、自分自身の過去からの成長率しかコントロールできないし、意味がないということが分かりました。

仮に転職したとしたら、「今悩んでいることは変化するかな」と想像してみるという方法でした。

対策4: 人生の長さに思いを馳せる

特にWEB業界にいると時間の流れがはやくて、いろんなサービスが生まれて盛り上がって盛り下がって死んで、随分働いてきた気分になるのですが、「あれまだ10年しか経ってなかったね」と、なったりするんですよね。まだまだたくさん働く時間が残っているので、あまり焦らず成長していけるといいなと思っています。

これからの3年、5年がんばったとき、理想的な状態を考えてみて、モチベーションにしていけたらなとおもいます。

対策5: 尽きぬ悩みであることを知る

インポスター症候群という言葉があります。まわりから見て、優れた実績を実際にあげているのに、本人は「まわりの評価は過大で、実際の自分はそんなたいしたことない」と、自分を過小評価してしまうことを言うようです。

業界で誰もがすごいと思っているという評判だけでなく、実際に一緒に働いている人も働きぶりを認めるような人でも、このように感じたりしている人に会ったこともあります。

インポスター症候群という名前がつくくらいには一般的であるという事実を知ることで、成長に対する焦りに冷静になれるといいなと思います。

おわりに

僕は約15年前に、組み込みのソフトウェアエンジニアになったのが最初のキャリアだったのですが、その後最初の転職でWEB業界に移ったとき、エンジニアの勉強会や、情報をオープンにするマインドにとても驚いたのを覚えています。今 エンジニアという仕事がより盛り上がっていてうれしいと思っていますが、その分たいへんなことも増えているんだなと思って書いてみました。

この記事は、Engineering Manager Advent Calendar 2019の14日目のエントリでした。


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