2024/3/28

(やっぱりはてなブログがいいなあと思ったけど、なんかどっちでも良くなった)

明日が最終出社日。人生で何回目の最終出社日なんだろう。2月〜3月にかけて泥のうえを歩いているみたいに、何も順調に進まないことに体力も気力もとられて疲れていた。毎日の長い通勤時間に、全然決まらない新居探しに、追い討ちをかけたのは高熱で一週間近く寝込んだこと。かなり疲れた。自分に降りかかっている最悪なことの大抵の原因は、自分の日々の行いのせいなのに苛立ったり焦ったりするのはどうしてなんだろう。

田舎は家賃も安いし、もう一人暮らしをしたくなくて恋人と一緒に住むことも考えながら家探しをしていたけど全然決まらず。なんとか決まったのがNPO法人が運営している古民家をリノベーションしたシェアハウスだった。家賃も安いし駅までも近い。映画館も徒歩10分圏内にある。慣れないうちは色々と不便だろうけど、帰れる家があるだけいい。説明書きのところに菜園付きシェアハウスと書いてあって、雰囲気も含めて本屋・生活綴方みたいと思った。内見をした後、すぐに申し込みをすすめて、運営の責任者の方とオンラインで顔合わせをした。家の猫が邪魔してくるので画面に入らないよう片手で必死に押さえていたら、向こうの方の背後にも猫がうつっていた。あ、もういいかと思って押さえていた手を緩めると、こちらの猫が容赦なく画面を横切っていく。すみません…と謝ると、猫ちゃん見せてください〜!と言ってもらえてハチワレを紹介した。

きのうは仕事が休みの恋人と一緒にいた。休みくらいゆっくりしていたらいいのに、仕事で覚えないといけないことがあるからと言って、仕事で使う地図を見て道順を確認しながら車を運転していた。地図に黄色やピンク色のマーカーが走る。それを横目に本を読んでいた。『犬のかたちをしているもの』、この本のことを好きか嫌いかわからない。文体が読みやすいのであっという間に読み終わりそう。主人公の恋人にはお金を払ってセックスしていた女の人がいて、彼女が妊娠した。彼女は「子どもを堕ろすのは怖い、かといって育てることもできないから、引き取ってくれませんか」と主人公に交渉する。センセーショナルな冒頭だなと思った。主人公の過去の回想が印象に残っている。卵巣の病気が発覚したあと、へらへらしながら当時の恋人にそれを打ち明けたシーンで「そういう話する時くらい泣けば」という彼のことばに対して、あれは、きつかったなあと思っている。その後泣くつもりはなかったのに泣いてしまった自分を見て満足げだった彼の顔。こういう言葉にできない違和感を逃さず書くのって創作だとしてもしんどそうだなと思った。

帰り道、近くにできた松屋に行くか迷ってやよい軒に行った。家に帰ったら姉が松屋で牛丼を買ってきてくれて、これは偶然だなあと思う。

きょうの仕事終わりに上司が「過去の自分が営業の成績を上げられなかった時期、周囲と何が違うのか観察した結果、成績がいい人は常に相手に求められる自分を想像して演じ分けてるのに気付いた」と言っていた。仕事じゃなくても多くの人は意識的にも無意識にもそうしているものだと思っていた。相手に求められる自分ね、そう努めていたらとうとう自分がなんなのかさっぱり分からなくなる人間だっているのにね。そう思いながらも、上司も働いている人たちもみんな気持ちの良い人だったな、と思う。もう出勤も最後だけど。
私は社会人としても人としても欠陥がありすぎると毎日思っていることが、今日はどうしようもなくつらかった。1時間バスに乗ったあと、降りてからは1時間歩いて帰った。外の気温は10℃もあった、夜に橋の上からみる川の水面は、油の流れみたいにゆっくり動いていた。油の川なら飛び込んでみたい。

待ちの猫
ブラシに前のめりの猫

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?