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城ケ崎海岸の青。いろいろなものを離した2週間

出張でいろいろな場所に行く機会があったけれど、仕事に縛られず、住んでいる以外の土地で、歩くことってあったっけ。

伊東市に来たので、せっかくなら海を見たいと思い、城ケ崎海岸に行くことにした。

駐車場に車を停めて、観光地にありがちな大きな地図の看板を見に行く。どうやら海沿いに道があり、そこを通ればつり橋や灯台があるらしい。

片道、1キロちょっとの道のりだ。

伊東市は山と海のまち。ただ、駐車場にいる私の目の前に広がる風景は、林しかない。

石交じりの土の道を歩いていると、ふわっと視界が広がった。

「あー---」

海を見て、思わず声をあげた。

仕事だったら、発言の前に周りを見回して、周りを見回して、周りを見まわして(3回いう)、そこから声を出す。

海を見た瞬間の私の「あー---」という声は、頭で考えたものではなく、潜在意識の中から出たものだ。

岩にぶつかる波の音。

海の青。

目の前に広がる、圧倒的な自然。

その光景を前に、出た声だった。

でもそれがよかった。

気を使わないで声を出す。

ここ2週間、そんな機会が何度もあった。

話すことは、離すこと。

なんか、どろどろしたものを少しづつ落としていく感覚があった。

そしてこの「青」に、崖の上から思いっきりつきものを落とす。

そんな感覚があった。

いろいろなものを離して、これからを生きていく。




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