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『スペンサー』レビュー

昨年の第78回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で話題になったクリステン・スチュワートがダイアナ妃に扮した『スペンサー』を映画館鑑賞。冒頭、事実に基づいた寓話とクレジットされて、本作がどんな思いで今製作されたのか、その一点への興味で作品世界へと入り込んだ。魅力は、何と言ってもクリステン・スチュワート。全篇ほぼ独り舞台と評すべき熱演に圧倒される。聞き飽きたダイアナ妃の孤独と苦悩が鮮やかに描かれて、このまま終幕だと苦しいなと辛く受け止めていたら、ラストは救いのあるシーンで、母たるダイアナ妃に共感できるエンディング。監督パブロ・ララインの思いはここだなと納得したことだった。

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